この記事をお読みという事は、あなたの家の珪藻土の壁で、カビを発見したと予測する。
本稿では「珪藻土」素材からカビを除去する正しい方法を挙げていく。
先にお伝えしておくべき事は、カビの根本的な解決には「カビ取り専門のプロ」に相談することがベストということだ。生きているカビの除去、予防には、発生箇所ごとの原因と、専門的な知識が必要である。
珪藻土のカビ取り方法は、珪藻土を一度剥がして、ボードやクロスにもカビ対策を施し、再度珪藻土を塗りなおす必要がある。そしてこの珪藻土を剥がして行う処理中も、カビ菌を殺菌しながら行わなければ、菌を飛散させてしまい、暫くして再発してしまう。
しかし、初期段階であれば自分で行える応急処置がまったくないというわけではない。
まずはそちらを紹介する。
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この記事読むことで理解できること
自分で珪藻土のカビを殺菌するには?
まず、目の前のカビをすぐに何とかしたい!その場合は下記の方法が有効である。
■カビの色素は残っても実害は防ぐ(殺菌する)方法…消毒用エタノールを使用する
カビの色素を自分で落としたい場合には、塩素系漂白剤を使用しなければならなくなるが、基本的に浴室などしっかりと水洗い出来る箇所でないと、壁に薬剤が残り、人体に影響を与えかねない。
洗い流さずに使用できる市販のカビ除去剤も見かけるが、カビを殺菌する効果よりも強力に色素を漂白する効果の方が強いものが多く、根本的な解決にならないどころか、免疫力が低いお子さんや妊婦さん、お年寄りの方、またペットなどに対して危険を及ぼす可能性が既に考えられる為、安全な方法、そして実害(カビ殺菌)を目的とした方法をここでは紹介したい。
カビの色素は残っても実害をまず防ぐ方法
■用意するもの
・消毒用エタノール(適量)…カビの細胞を破壊する効力がある(殺菌効果)
・綺麗な布(雑巾やタオルでも良いが、目の細かな布が好ましい)
【今回使用する消毒用エタノールはこちら↓】
■手順
①カビの飛散を防ぐ
まずカビの飛散を防ぐ為に、カビの発生している箇所に消毒用エタノールをスプレーで塗布する。
②布でカビを擦りとる
消毒用エタノールを十分に湿らせた布で、カビを擦りとる。強く布を当てすぎると珪藻土の表面の粒子がこぼれてくるので注意する。
③再度エタノールで殺菌
よく乾燥させた後、再度消毒用エタノールをスプレーで塗布し乾燥させる。
■消毒用エタノールを使用する際の注意点
・エタノールには無水エタノールと消毒用エタノールの2種類がある。無水エタノールは濃度99%、消毒用は濃度80%であり、無水エタノールの方が、殺菌効果が強いように感じるが、無水の状態では殆ど殺菌効果はない。
・無水エタノールしか無く、代用したい場合は、無水エタノールが80%の濃度になるように水で薄める。水は水道水だと変質しやすいため、精製水を使用する。
・消毒用エタノールは引火しやすいので、火気に絶対に近づけないよう細心の注意を払う。作業が終わり、エタノールが完全に乾くまで、ライター等も使用しないこと。
市販の除カビ剤の多くは殺菌よりも漂白が目的?
先に記載したとおり、市販のカビ除去スプレーの多くは、殺菌効果より漂白効果のほうが強いため、カビの菌核を分解(殺菌)まではできず、何より怖いのが中途半端に薬剤を使用することで、カビが駆除されると危険を感じ、生命力を増して、これまで以上に活発に繁殖してしまう。浴室など洗浄できる箇所ではない、室内の壁等のカビ除去は、カビの繁殖が進む前に専門業者に相談してみるのが賢い選択である。
珪藻土のカビを除去する方法【依頼する業者の選び方】
一言に業者にカビ取りを依頼すると言っても、どこに依頼すれば良いか悩んでしまう。また価格はどのように決まるのかなど、相場も知っておきたい。まずは正しい業者の選び方から見ていこう。
正しい業者はどのようにして選ぶのか?
問題を解決してもらう為にお金を払い依頼する。今回であれば健やかな生活の為、カビを除去してもらうことだ。しかしながら、悲しいことに対価に見合った仕事を行ってくれない業者も中にはいる。そのような事があなたに決しておきないように下記を業者選びの際には確認していただきたい。
【カビ取り業者選びのポイント8個】
■カビ除去・予防を専門にした業者であるか?
■人体の事もしっかりと考えた除去を行ってくれるか?
■建材の事もしっかりと考えてくれているか?
■今までの施工の様子が見られる、又は見せてくれる
■不安な点や質問などに丁寧な回答がある
■状況や除去の方法、手入れについての説明がしっかりとある
■過度に不安を煽るような事を言わない
■成約を即決させようとしない
費用相場はどのくらい?
カビの状態、各住宅の条件によって大きく変動する為、相場は参考となるが、平均的な価格は下記のようになっている。
■2LDKマンションや一戸建て(除カビ+防カビ)15~20万円
■ワンルーム(除カビ+防カビ)3~6万円
防カビ(予防)であれば、部屋ごと、部分ごとではなく、全ての部屋で依頼する方が手間を一度にまとめられるので、単価は下がる傾向にある。では価格が決まる要素には詳しくどのようなものがあるのか?
費用はどのようにして決まるのか?
カビ取りの費用は主に下記の項目で決まるため、事前に確認しておこう。
■カビがどのような箇所に発生しているか?
カビが壁の至るところに点在している場合、カビ菌は部屋全体に及んでいる為、その分除去すべき範囲が広がり価格は上がっていく。
■カビの繁殖深度はどのくらいか?
中のボードの奥の方までカビが繁殖している場合は、その分手間や材料費もかかる為、カビを放置しておくと結果的にかかる費用も上がってしまう。
■自分で除去した後での再発であるか?
市販のカビ取り剤などを使用後、カビの繁殖が活性化した状態だとカビに抗体が出来てしまい、また壁材に薬剤も染みこんでいる可能性もある為、施工を難しくしてしまう可能性も出てくる。
■壁材は何か?
珪藻土ひとつをとっても、高級なもの、色など素材によって価格は変動する。
調査とその説明をしっかりと受けて下記も、見積もりをもらった際に確認しよう。
【見積りの内容を確認する際のポイント】
■除カビの対象がどの範囲か(空間や周囲に飛散していたカビの除菌)
■防カビ対応は考えられているか
■別途費用(養生費・廃材処理費など)は必要なもので書かれているか
■保証の基準はどのようになっているか。
※保証基準は一般的に5年間、カビの生えやすい浴室等は3年間が多い。
下記は相談から施工完了までの流れである。
①問い合わせ・相談
②現地にて状況確認・見積もり
③施工開始
④仕上がりの確認→完了
③の施工をどのような順序で行うかも状況によって異なるので確認しておく。
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根本的な解決には「カビ除去・予防の専門業者」が良い理由
【画像はカビ取り専門業者が行った施工の様子】
以前、依頼したことのある家のクリーニング業者もカビ取りをしてくれる、又は家のことなら何でも依頼できる便利屋なら今後も色々頼みやすい。もしかしたらこのように思われているかもしれない。しかしカビ取りに関しては絶対に「カビ取りを専門に行っている業者」に依頼するべきである。なぜクリーニング業者等ではなく、カビ取り専門業者がダントツで良いかは下記をご覧いただきたい。
クリーニング業者に依頼するメリットとデメリット
メリット
・カビの色素(汚れ)が消える
・今後、家のクリーニングを任せる等で値引き出来る可能性がある
デメリット
・塩酸を水希釈した「酸洗い」か、高圧洗浄による「剥離洗浄」が主体な為、建材へのダメージや人体や環境への影響を軽んじた方法が取られやすい。
・カビの生態についての専門的な知識がない場合、カビの繁殖を逆に促進させる可能性がある。
・汚れを落とす知識はあるが除カビ、防カビの知識ではないので、予防の知識などが得られない。
ご覧のとおり、クリーニング業者は、「この素材に付いたこの汚れはこうしたら落ちる」という汚れを落とすことを専門としており、カビ菌に対しての専門ではない。
自分で行う除カビでも記載したが、中途半端に薬剤を生きた菌に使用するのは逆効果を生むことがあり危険である。さらに珪藻土のような特殊な壁材に対して強い薬剤や洗浄を行えば仕上がりについても不安要素がある。
専門の知識を用いて、状況ごとに適した対応が大切
実績のあるカビ取り専門業者は、除カビに加えて、防カビ(予防)についての知識も豊富なので、素材や環境毎に様々な相談にのってくれるだろう。
またカビ菌の威力と漂白力の強い薬剤の怖さも知っているからこそ、人体と建材に対する配慮も心がけている。
使用する洗浄剤については是非どのようなものを使用するか聞いてみてほしい。その際、食品添加物以上のものを使用していない安全性が非常に高い「洗浄剤」を用いているカビ取り専門業者であれば安心して依頼できる。
そもそも珪藻土のカビはどうして発生するのか?
最近では珪藻土バスマットも多く出回っている為、ご存知の方もいるかもしれないが、珪藻土には「調湿効果」があり、吸湿性、放湿の高い素材なのだ。
部屋の湿度が低い際には湿気を放出し、湿度が高い場合には湿気を吸収してくれる優れた特徴を持っている。
しかし珪藻土が湿気を吸うばかりで、湿気を放出しにくい下記のような環境にしておくと、珪藻土であれ他の素材と変わらずカビは発生する。
【珪藻土にカビが発生する主な原因】
■定期的な換気を行わず、風通しが悪い
■珪藻土表面の汚れ、埃を小まめに掃除していない
珪藻土の壁に出来るカビは、埃や汚れがたまりやすい壁の角に集中することが多い。
カビ除去を行った後は、定期的な換気と小まめな掃除がカビの基本的な予防となる。
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知っておくべきカビが発生しにくい習慣
カビが発生させないようにするには、カビの栄養源であり、珪藻土の湿気放出の邪魔となる汚れや埃の掃除、そして湿度を高めないことである。日頃の習慣として下記を行うことで、カビを遠ざけることが可能だ。
■湿度計を置き、湿度60%以上にならないようにする
カビの発生条件で私たちが調整できるのは、湿度を60%にしないことである。換気や除湿機を用いて湿度を調整することが一番のカビ予防である。
■珪藻土の表面はハタキで綺麗にする
表面に付いた埃はハタキで落とす。ハタキで落としにくい汚れが付いている場合は、乾いた布、又は固く絞った布で擦らずに、軽くたたくように拭き取る。水分の多い布だと表面の粒子が崩れるのでご注意を。
■シミ汚れには霧吹きを使用する
飲み物などが飛んでシミが出来た場合は、霧吹きで水をかけて乾燥させる。これを3回程繰り返すとシミが薄くなってくる。湿った状態の珪藻土の表面をついつい擦ったりはしないこと。
■プラスチック部分やこすれ痕は消しゴムを使用する
コンセントの手垢や物がこすれた時に出来た痕は綺麗な消しゴムで優しくこすると消える。こちらも力を入れすぎないように注意。
カビ発生を放置すると起こる3つの現象
ここまで読んでいただき「カビの色素を落とす」事が「カビ菌を殺菌する」とイコールではないことはご理解いただけたかと思う。市販のカビ取り剤には殺菌よりも漂白効果の方が高いものが多く、一見綺麗さっぱりカビが無くなったと思いがちだが、それは見た目だけであり、暫くすると再発するといった現象が起きている。
見た目として綺麗になり実害がなければ良いが、カビ菌が残っている、また薬剤が壁材に残っていると何がいけないのか。なんとなく悪いイメージはお持ちだと思うが具体的な問題を記載する。
アレルギー喘息、皮膚炎の発症、アトピーの悪化などを引き起こす
先述したとおり、体内にカビが入ることで、元々持っていたアレルギーや喘息が悪化、疲れが出ている場合や、風邪を引いて免疫が下がっている際にはそのままカビの胞子が体内に住み着いて起こる病気もある。また病院に行くほどではないが、疲れがとれない、微熱や頭痛が続くなどの症状を引き起こす原因ともいわれている。カビ除去についてじっくりと向き合っていただきたい最大の理由である。
カビ増殖と共にダニも増える
ダニの中にはカビを餌にしている種類もあり、またカビが好む環境とダニの好む環境は同じなのである。カビを食べたダニが、カビ菌を運んで家の中を歩き回れば…と考えると恐ろしい。ダニがいる?と感じたら暫く動かしていない家具の裏や部屋の角、窓周りなど、汚れと湿気がたまりやすそうな箇所を今一度チェックしていただきたい。
カビを放置しておくと除去が困難になる
カビをそのままにしておく、または漂白のみを何度も行うとカビ繁殖進行させ、気付けば壁の奥深く、そして部屋全体にカビ菌が充満しているという事態を起こす。最初にお伝えしたカビの殺菌方法を試しても、暫くしたらカビが広がってくる場合は、今のうちに専門業者に相談することをおすすめする。
珪藻土には調湿効果はあるが、殺菌効果はない
珪藻土は調湿効果を持っていることから「珪藻土はカビが生えにくい」と思われている方が非常に多い。調湿効果はあっても、珪藻土自体に発生したカビを抑制や殺菌する力はない。
他の素材と同様、条件が揃えばカビは発生し、増殖するのだ。
カビが発生する条件は下記の4つが全て揃う時である。
■温度…5~45℃で発生。20℃以上から活発に、28℃前後が一番盛んになる
■湿度…60%以上で発生。80%以上で猛烈な勢いで繁殖する
■栄養…埃、人間の垢などのたんぱく質汚れ、食品、塗料、接着剤なども栄養源となっている
■酸素
珪藻土の湿度調整の効果が継続的に発揮されるには、あくまで基本的なカビ対策である湿度の調整と小まめな掃除を行っているかどうかである。
珪藻土のカビを見つけたら専門業者に相談するのがベスト
浴室のように水洗い出来る場所ではなく、室内の珪藻土の壁に発生したカビの除去は一段と難しい。よってカビの発生が初期段階であれば、まず広がらないように、最初にお伝えした方法で殺菌。暫くしてカビの広がりがあれば、増殖する前に専門業者に相談する方が価格的にもベストであり、そして何よりも健康を守る為の策である。この記事を参考に、カビ被害が一つでも減る事を願う。
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