日々掃除を小まめに行っていても油断すると発生してしまう「カビ」。
カビ除去はただの汚れ落としではなく「菌の除去」であるため、
除去や、予防の為の掃除には知識とコツが必要だ。
さらに除去にあたって二次被害を起こさないように注意しなければならない事がある。
知っておくべき知識と有効な除去方法をお伝えしたい。
最初にお伝えすべき事は「カビは家族の健康にも影響を与える」ということだ。
よってカビを放置することは危険な行為である。
『人、建物に優しいカビ取り専門業者による無料見積り/カビラボ』
この記事読むことで理解できること
カビ放置は何故危険?
まずは「カビを放置する」をしてはいけない理由を知っていただきたい。
身体面…喘息・アレルギー・皮膚炎・頭痛・発ガン
カビの胞子が体内に入り込むことで、喘息、皮膚炎、アトピーやアレルギーの悪化、又は発症、免疫力低下が起こるとされている。特に目立った症状がなくとも「微熱が続く」「頭が重たい・痛い」などが、風邪でもないのに暫く続くという体調不良も起きる。
また免疫力が低い状態で体内にカビの胞子が入り込むと、そのまま住み着いて繁殖し、命をおびやかす事態をも招く。
現在カビが生えて黒ずんだ壁があれば、それが体内でも起こるという事である。
例えば青カビのなかの毒「マイコトキシン」には、肝臓がんや腎臓がんの一因に、コウジカビには肝臓がんを引き起こす「アフラトキシン」という毒があるといわれている。
さらには人体だけでなく、精神面にもダメージを与えてしまう。
精神面…うつ・不安症・ストレス
カビが与える精神的ダメージの研究では「湿気やカビの多い家に住むことによってうつ状態になる可能性がある」といわれているが、これはカビによる体の不調との関連も大きい。
またカビは見た目にも不快であり、カビが繁殖しやすい湿度環境は、人間にとっては不快な状況である。人間は住環境の影響を想像以上に日々受けており、その積み重ねによる不調には気付きにくい危険性がある。
建物…防水性能低下・建材劣化・火災
カビは枝分かれするように栄養を求めて壁の中に伸びていく。塗料や接着剤、建材も栄養にして建物全体に行き渡り、断熱や防水効果はなくなり、壁材や健材は劣化していく。
先述したように、もしもカビが電線などの設備に繁殖してしまうと、電気絶縁性が低下し電気製品の不具合や使用不可となる。また最悪の場合には火災の原因となることがある。
この火災は断熱効果を失った建材に結露が発生し、その水分による漏電によっても起こる可能性がある。
他にカビ放置の代償は、カビを餌にしているダニの発生や、除去のハードルが上がり費用が高くなってしまうことが上げられる。決して怖がらせたいわけではないが、実際に起きてしまった被害を知り、カビ放置をなくしていただきたい。
カビは何故生える?
カビの発生は浴室や水場、食品だけに発生しやすいだけではない。発生できる条件が揃えばどこにでも繁殖を開始する。カビ対策の基本である「カビ発生の条件」をお伝えする。
湿度60%温度5℃以上で発生
カビが発生する条件は下記の4つが全て揃った時である。
①湿度60%以上
②温度5℃以上
③栄養
④酸素
温度は5~45℃で発生し、20℃以上から活発になり、28℃前後が一番盛んになる。
湿度は60%以上で発生し、80%以上になると猛烈な勢いで繁殖する。
温度の発生条件は5℃からの為、冬場以外は温度を条件から外すことは人間が快適に過ごす為には出来ない。湿度をいかに調整できるかがカビ予防としては決め手となる。
ここで間違ってはいけないのが、人間にとってもある程度の湿度が必要であるということだ。
湿度が40%を下回ると免疫力低下や感染症のリスクが高まってしまう為、湿度を極端に下げ続けるのではなく、私たちも快適であり、カビ発生のリスクを避けたバランスで湿度調整する必要がある。
また、温度によって湿度が同じパーセンテージでも、実際に空気中に含まれている水分量は異なるため、湿度の調整は下記を目安にしていただくと良い。
【快適な室内温度・湿度】
(春・夏)温度25~28℃ 湿度55~65%
(秋・冬)温度18~22℃ 湿度45~60%
カビは埃や汚れも栄養源に
カビが栄養とするものは、食品等だけでなく、埃、汚れ、人間の垢などのたんぱく質汚れ、塗料や接着剤、建材をも栄養として取り込み繁殖をしていく。
よって完全にカビに栄養を与えない環境にすることは不可能である。ただし小まめな掃除で埃や汚れを蓄積させないことは決して無駄なことではない。
カビはより効率的に栄養を得るポイントから繁殖するため、例えば室内であれば埃や髪の毛が溜まりやすい部屋の隅、たんぱく質汚れがたまりやすい排水溝や、家具であればよく手が触れる箇所から増殖していく。
また埃はカビの栄養源となるだけでなく、空気中の水分を抱え込み保湿することで条件を揃えてしまう要素となっている。
カビの種類は黒・赤・青・スス
地球上のカビの種類は推定で6万~10万種といわれている。カビ対処で難しいのは種類によってそれぞれ性質が異なり、水分が少なくとも平気、温度が低くても大丈夫、繁殖が進んでいれば薬剤に関して強い抵抗性を持つなど多種多様であることだ。
住環境で多く見られるカビ4種の特徴をお伝えする。
■黒カビ
住環境の至る所に発生し、空気中に多く乾燥にも比較的強い。初期では薬剤に弱いが、進行しだすと薬剤に対して強い抵抗性を出す。むやみな薬剤使用によって逆に活発にさせてします危険性がある。喘息やアレルギーの原因になる可能性がある。
■赤カビ
湿度が高い場所であればプラスチックや金属の細かな傷にも繁殖する。繁殖スピードは黒カビの10倍程のスピードである。
■青カビ
有害なもの無害なものがあり、無害なものは主にブルーチーズ等である。中にはマイコトキシンというカビ毒を作り、ガンの原因になるともいわれている。
■ススカビ
胞子が軽く、部屋の空気中に漂っている時間も長く飛散しやすい。ススカビによる人体影響は、皮膚真菌症や角膜炎など発症頻度は低いものの、罹患すると怖い病気が上げられる。
カビ菌除去は単純な汚れ落としとは異なり、病原菌と同じように環境や進行具合によって適した処置を行わなければならないことがわかる。
カビが多い場所別!適したカビの除去方法
カビの除去や防止には専門的なカビの知識と、建材や壁材(素材)の知識が必要である。
よって一番安心してカビ除去を行う方法は「カビ除去の専門業者」に除去をお願いすることである。自分で行う除去は、あくまで菌の飛散防止と応急処置としていただきたい。
今回は人体や素材などにも出来る限り配慮した方法での殺菌方法をお伝えしたい。
小さなお子さんやペットがいらっしゃるご家庭、匂いに敏感で市販のカビ除去剤の使用に抵抗がある方に是非ご覧いただきたい。
室内壁(家具設置面・窓周り)
室内壁で最もカビの発生が多い箇所は「家具設置面」と「窓周り」である。家具設置面は埃や汚れがたまり易く、何よりも風通りが悪い。窓周りは結露対策がなされていない場合、その水分がカーテンや壁に留まりそこから繁殖が始まる。エタノールと重曹ペーストで除去を行う。
【使うもの】
・重曹
・酸素系漂白剤(衣類用粉タイプ)
・消毒用エタノール
・水
・メラミンスポンジ
・ラップまたはキッチンペーパー
・ゴム手袋
・新品の雑巾(3枚)
【手順】
①エタノールで殺菌する
雑巾に消毒用エタノールを拭き付けて、カビにゆっくりと塗りつける。
拭き取れないカビ汚れはメラミンスポンジで擦って落とす。メラミンスポンジを使用した後は、菌や汚れを含んだ粉が出てくるので、掃除機で片付ける。(掃除機は殺菌したカビのみに使用すること)メラミンスポンジ使用後は、もう一度、消毒用エタノールで表面を拭き取る。
②重曹ペーストを塗る
容器に重曹を入れて、そこにぬるま湯を少しずつ加えながら、固めのヨーグルト状にする。さらに酸素系漂白剤をペーストに加えて混ぜ合わせる。
このペーストをエタノール乾燥後、カビに塗り、上からラップをかけて3時間程そのままにしておく。3時間後、ラップをはがし重曹ペーストをしっかりと拭き取る。
③乾拭き&後片付けをする
最後に乾拭きを行う。完了したら、カビ菌を残さないように、再度作業周辺を掃除機で片付ける。
水周り(タイル目地・パッキン)
キッチンや台所、脱衣所などの水周りは、目地などのくぼみや、ゴムパッキンにカビが発生しやすい。重曹と酸素系漂白剤のペーストでカビを包んで除去する。
【使うもの】
・重曹
・酸素系漂白剤 液体タイプ
・ゴム手袋
・浴室用ブラシ
・スポンジ
【手順】
①重曹ペーストを塗る
重曹1:酸素系漂白剤1を混ぜ合わせて固めのペーストを作る。カビ発生箇所と周辺に重曹ペーストを塗りつけて15分程待つ。
②カビを落とす
タイル目地は浴室用等のブラシで、傷つきやすい柔らかいパッキン部分はスポンジなどでペーストの上からこする。擦り落とせたらペーストが残らないように水洗いをする。
続いては台所の中で一番水気が多くカビ発生のスタート地点になりやすいシンクの除去方法である。シンクは無理に擦ると細かい傷が付き、そこに汚れが入り込んでカビも繁殖しやすくなってしまう為、出来る限り擦らずに重曹の発砲効果で除去をすると良い。
【使うもの】
・重曹
・酢またはレモンの絞り汁
・スポンジ
【手順】
①重曹と酢(レモン汁)をふりかける
排水口やシンク内に重曹をまんべんなくふりかけ、そのあとに酢またはレモンの絞り汁をかける。酢やレモン汁をかけると重曹がブクブクと発砲するので暫し待つ。
②しっかりと水洗いする
排水口に関してはそのままにしておき、シンク内は発砲が落ち着いたら水をかけて流す。
先にシンクを水洗いまで行い、排水口は最後に重曹→酢→放置が効果的である。
カビがしつこく無い場合は、重曹だけをふりかけて、スポンジで力を入れずに円を描くように掃除するだけでも綺麗になる。
家具(背面・底)
家具の中で困難なのが木製品のカビである。洗浄剤なども染み込んでしまうため、自分で行う安全な除去方法は殺菌を優先したもので、色素沈着までは正直難しい。しかし実害を防ぐには有効な方法である。
【使うもの】
・消毒用エタノール
・サンドペーパー
・綺麗な雑巾
【手順】
①エタノールで殺菌する
家具が木製の場合、壁と同じくまずは消毒用エタノールで、カビとその周辺を木部が湿る程度に殺菌する。消毒用エタノールが完全に乾くまで待つ。
②雑巾で拭き取る
エタノールが完全に蒸発し乾いたら、乾いた綺麗な雑巾でカビをゆっくり拭き取る。
③サンドペーパーで削る
目立たない箇所で、見た目的に問題がなければ、サンドペーパーでカビが発生していた箇所を少し削る。※この時に内部までカビが深く発生していそうであれば、菌の飛散を防ぐためにエタノールをスプレーし、専門業者に相談or処分を検討する。
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窓・扉(サッシ・ガラス面)
【使うもの】
・中性洗剤
・消毒用エタノール
・キッチンペーパー
・綺麗な雑巾
【手順】
①中性洗剤を吹き付ける
カビが発生している窓ガラスに中性洗剤(食器用でOK)を吹き付けてキッチンペーパーで覆い5分おいて綺麗な濡れ雑巾でよく拭き取る。
②エタノールで殺菌する
エタノールを全体に吹き付けて殺菌する。
使えるアイテム有り!予防の為の掃除方法
カビは発生したら放置しない!は基本だが、続いて大切なのがカビ予防である。普段の掃除の中でカビ予防を意識することで、一層快適で綺麗な空間となるだろう。
予防の為の掃除方法と同時に予防アイテムを紹介する。
床掃除
【フローリング】
隅や家具の隙間・下など掃除し忘れてしまいそうな箇所から行うと良い。家具や物はできるだけどかして掃除をし、カビの栄養となってしまう埃や髪の毛などを除去する。
また冬の窓に発生する結露をそのままにしておくと、その湿気からフローリングにカビが生えることが多くある。結露を吸水するアイテムや、結露防止スプレーを使用すると良い。
他には、フローリングに直接布団を敷かず、ベッドでの使用かスノコを敷き、風の通り道を作る。吸湿シートは畳で布団を敷く場合にも湿気逃がしとして活用いただきたい。
また帯電防止入りのワックスを使用すれば普通のワックスでは皮脂などがつきにくくなるだけでなく、静電気が発生しにくくなり、フローリングにこびり付く埃が少なくなる。
【畳】
畳の素材である「イ草」は、それ自体がカビの栄養源ともなる。織り込まれた畳の形状は、カビが繊維に沿って根を張りやすく、またヘリの部分もカビが生えやすい為、要チェックポイントである為、一層細かく予防法を記載する。まずは徹底して湿度管理(除湿)することが肝心である。
・掃除機は持ち上げてかける
フローリングでも同様、掃除機の排気で埃や、わずかなカビの胞子が舞うのを防ぐ為に、掃除機本体は持ち上げて使用するとお掃除効果はグッとアップする。
・消毒用エタノールで拭き掃除
消毒用エタノールを畳にスプレーし、硬く絞った綺麗な雑巾で水拭き、扇風機などで乾燥する。ただし、畳表面の痛み具合によっては変色させてしまう場合があるので、目立たない箇所で試してから行う。また湿気の多い日や状態で行うと乾燥まで時間がかかり、逆に湿気を与えてしまうので、晴天の換気が出来る日や、すぐに乾燥できるような状態(除湿機の稼動)で行う。
・年に一度は大掃除
年に一度は畳にも日光浴をさせることで湿気を逃すことができる。表・裏共に日に当て、両面をたたいてから掃除機をかける。その後、防カビスプレーをして乾燥させる。
・畳み下に防湿シート
床下からの湿気防止対策として、畳の下に防湿シートを設置するのも有効。こちらは畳店などでも相談に乗ってくれる。
壁掃除
スイッチ周りなど、手で触ることが多い場所は手垢で汚れやすく、また、たんぱく質汚れはカビの高栄養源となるため早めに除去することで予防となる。手垢の汚れは酷くなると、皮脂が酸化して黄ばみも出てくるので早めの対処を心がけていただきたい。壁に付いた手垢は消しゴムを使うのが効果的である。軽くこするだけで簡単に汚れは落ちる。
ビニールクロスなどは拭き掃除がしやすいが、その他の壁材は素材に合わせた掃除方法で予防していただきたい。
【砂壁】
ハタキでホコリを落とし、汚れが浅い場合には、サンドペーパーで少し擦り、消毒用エタノールを少量ずつスプレーし、乾燥させる。必ずお天気の良い湿度の低い日のみに行う。
【珪藻土】
ハタキでホコリを落とし、消しゴムを使って汚れを少しずつ落とす。消しゴムで落ちない場合のみ、中性洗剤を付けた布で拭き取る。
【漆喰】
ハタキでホコリを落とし、消しゴムを使って汚れを落とす。消しゴムで取れなければ、水拭き、
未だ汚れが残った場合は、サンドペーパーで少しずつ削り取る。
過度に水分を染みこまる又は削ると表面がモロモロになってくるので注意をしながら行う。
家具周り
ソファと家具、家具と収納ボックス、家具と壁の隙間には埃がたまりやすい。埃が溜まりやすい箇所にはカビも発生しやすい。
こうした空間の下には、何らかの「埃受け」を置く対策が効果的である。広い隙間に適しているのはお菓子の空き箱。狭い隙間には包装紙をまるめたものを隙間に入れ、埃が上にたまったら、隙間から出し、埃を綺麗に払ってまた差し込む。
水周り
栄養源の固まりとなる三角コーナーは毎日酢スプレーをすることでカビ防止となる。酢の除菌効果によって清潔な状態を保ち、嫌なぬめりも軽減し、消臭効果が作用して生ゴミの匂いも抑えられる。三角コーナーは少々高いが、銀製のものは銀イオンの作用によってぬめりがつきにくいのでおすすめである。
そして手軽で効果大の方法は、シンクを使う前に水を全面にかけておくことである。
これを「水養生」という。乾いているシンクに汚れがつくと、ベタッとくっつき落としにくくなるが、水の膜内に汚れが留まるので、サッと洗うだけで簡単に流せる。
浴室のカビ予防の基本は、換気扇を回し、窓を開けることだが、ポイントは換気扇を回して窓は1センチ程開けることである。これは換気扇で中の空気を外に、窓から外の空気を中に効率的に入れ込むためであり、あまり風が吹いていない時に有効である。
また少し手間ではあるが、浴室専用のスクイージーを使用して水滴を落し切るのも有効である。
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市販のカビ除去剤の特徴と落とし穴
現在様々な除去剤が販売されており、カビ除去は手軽に行えるようになった。しかし製品にも記載されているが、強力な漂白剤による「変色脱色の可能性」、再発がある為「月1度の使用」と注意書きがなされている。手軽に除去が出来る分知っておくべき注意事項をお伝えしたい。
「次亜塩素酸塩」の使用は慎重に
市販のカビ除去剤の多くには漂白効果として含まれている「次亜塩素酸塩」が配合されている。これは壁に染み込むことでツンとした刺激臭や、高い濃度で触れる、または肌が弱い方は、皮膚に化学熱傷という火傷が起こることがある。
カビの色素を落とす為に漂白剤は必ずと言ってよい程に配合されているが、漂白剤には大きく2種ある。
【塩素系漂白剤】
主成分が「次亜塩素酸塩」であり漂白の効力が強く、染料も脱色する為、色物や繊維物などには使用できない。浴室や台所のシンクなどの水で洗い流せる箇所のみに使用する。また酸性のものと混ざることで有毒な塩素ガスが発生する為、取り扱いには充分注意が必要である。
【酸素系漂白剤】
染料は脱色しない為、色物にも使用できる。酸化(水に溶かす)する力で色素を分解し、また除菌や消臭の効力もあるとされている。
塩素系は二次被害に注意
塩素系と酸性タイプの製品には必ず「混ぜるな危険!」の表示がある。塩素系と酸性タイプ(アルカリ性と酸性)のものが混ざると有毒ガスが発生するからである。
異なる性質の洗剤を混ぜて使用してはならない事はイメージ出来るが、混合はもちろんのこと、塩素系のカビ取り剤を使用後に水で洗い残しがあり、酸性タイプの洗浄剤を使用するなどでも有毒ガスは発生する。
実際に浴室で塩素系カビ取り剤と酸性の洗剤を同時に使用し塩素ガスが発生。ガスを吸入したために呼吸困難になるなどの事故が発生している。また同じ商品名であっても粉末か液体かで異なる性質(アルカリ性か酸性か)のものがある為、充分に注意していただきたい。
また先述したように塩素系は高い濃度で触れると化学熱傷を起こす、または匂いで具合を悪くする方もいるので、使用の際にはゴム手袋やゴーグル、マスクの使用を忘れずに着用いただきたい。
除去剤でカビの防止はできない
市販のカビ除去剤は「一時的な除去」と思っていただいてよい。これには理由がある。
カビには「核」があり、これを除去できなければ暫くしてまた胞子を伸ばして繁殖を開始するのである。
カビの根本的な解決とは、「カビを核から除去」することであるが、カビ菌核の除去は専門的な分野であり、カビに対しての知識と経験がなければ不可能である。
カビが発生するたびにカビ除去剤を使用すればよい話かもしれないが問題がある。カビの色素を除去するには強力な漂白成分が配合された除去剤を用いらなければならない。これは使用を重ねることで壁材にもダメージを与え、劣化させていくこととなる。
それではカビ除去のプロはどのようにしてカビの「核」までも除去しているのだろうか。
カビ除去のプロが凄い!素人とは何が違う?
カビ除去をカビ取り専門業者に依頼することをおすすめしたい最大の理由の一つはその方法にある。
除去方法に違いがあった!
カビ菌の核の除去を行う際に使用する洗浄剤は、厚生労働省が指定する食品添加物以上のものは使用せず、化学反応で分解除去してくれる。
これは既存の建材を痛めることなく、また人体への影響も配慮し、建物全体を長寿命化させる方法である。
【カビのプロが使用する洗浄剤】
■動物実験において(約200種の動物に対して)安全を確認している
■被験者約200名において、1日1人あたり4gの内服を続け、2年経過後もまったく身体的な異常が発生しない。
■世界中の主要国でカンキツ・バナナ・リンゴなどの防カビ処理剤として登録され、使用されている。
■人間の駆虫薬としてもアメリカとヨーロッパで10年の使用実績がある。
■臭気・味がなく眼や皮膚を刺激しない。経皮毒性も実用上心配がない。5年以上の蓄積毒性の試験で無害と認められている。
この洗浄剤を有効に使用するにはカビ菌の種類、繁殖状況、発生箇所の素材(壁材)を調査し、適切な除去方法を確定する必要があるため、医療と同じく専門的な知識と経験が必要となる。
徹底した再発防止
カビの専門業者であれば、除去と同時に防カビを行ってくれる。防カビとは字のごとくカビが発生しない為の防止であり、これこそプロでなければ成し遂げられない技術である。
こちらは外壁にカビが発生している様子である。この黒ずんでいる部分が全てカビであり、周辺環境も緑が多く、一度除去しても再発の心配がうかがえる。
続いてこちらはカビを菌核から除去した後の様子である。カビが生えていた時は少し怖い印象を与えていた建物が、ナチュラルな印象の素敵な建物へと変わった。
こちらはカビ除去した直後ではなく3年後の様子である。びっしりと発生していたカビからは予想できない程の防カビ効果である。
カビ除去の相場はどのくらい?
業者に依頼する際に気になるのが費用の面である。カビ除去や防止の価格は「1㎡あたり○円」と示されることが多い。
とは言え、カビの繁殖具合やその他の汚れの状況、また地域によっても費用は変動するため、
見積もりが出て、気になる箇所があれば何故この価格となっているかを聞き、不安を抱えたままではなく、納得して進めていただきたい。費用が妥当かどうかの目安として、下記の相場を参考にしていただきたい。
内容 | 1㎡あたりの費用 | |
壁、天井、その他 | 除カビ、殺菌 | 1500円~ |
除カビ、殺菌、防カビ | 3000円~ | |
外壁 | 除カビ、殺菌 | 1500円~ |
除カビ、殺菌、防カビ | 3000円~ |
基本的に上記に出張費、消費税が加算される。また養生費などの別途費用が含まれているか、そうでないかも見積もりの段階で内訳を確認していただきたい。
価格相場表を見ていただいてもわかるように、除カビのみか、防カビをセットで行うかで費用は異なる。防カビ単体よりも一緒に行う方が、単純に手間が減少されてお得である。
プロに依頼するには費用はもちろん必要だが、度重なる除去の手間やその費用、何より安心できる空間の維持を考えると価値ある依頼となるだろう。
またカビの専門の業者であれば、様々な相談やアフターサービスもあるため安心できる。
カビ除去の心得「放置禁止」「飛散防止」「殺菌優先」
カビを発見した場合に、見た目を元に戻すことを優先したくなるが、決して上から塗料を塗る、物で隠すなどはしてはならない。隠すことはカビの繁殖を許したことになる。
放置せず、実害を防ぐ為に菌の飛散防止(エタノール殺菌)を行い、漂白剤で色素だけを落とすのではなく、殺菌を優先した行動をとることが、家族の健康と家を守ることに繋がる。
カビを発見した際の賢い行動をまとめる。
繁殖状況を確認し、繁殖がわずかな点での発生などであれば、お伝えした除去方法を実践し、飛散防止の為にも殺菌を行う。壁一面やあらゆる箇所にカビが発生している場合にはすぐに専門業者に依頼することである。
もちろんわずかな発生であってもプロに相談して良い。状況の確認、見積もりまでは無料で行ってくれるので不安のない行動をとっていただきたい。
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