壁紙に発生したカビは見た目に不快なだけでなく、
あなたや大切な家族の病気の元にもなってしまう。よって放置だけはしてはならない。
しかし、カビの漂白や殺菌は知識ないままに行うと、逆にカビ菌を刺激してしまい、
繁殖を増長させてしまう可能性がある。
自分で殺菌するにしても、業者に頼むにしても、
「カビに対してやってはいけない事」、そして「殺菌」と「漂白」について知る必要がある。
この記事を参考にカビを根本的に賢く除去していただきたい。
『人、建物に優しいカビ取り専門業者による無料見積り/カビラボ』
この記事読むことで理解できること
漂白だけではカビ菌はいなくならない
壁紙にカビが生えた際の対処として多くの人が勘違いしてしまうのが、「カビの色素(汚れ)がなくなることで除去もできている」ということである。
カビを漂白しただけではカビ菌は完全に除去できていない。色素を落とす「漂白」と菌を殺す「殺菌」の違いを知り、確実な除去を行いたい。
漂白と殺菌の違い
「漂白」や「殺菌」と併せてカビ対策グッズに記載されている「除菌」など、カビ対策を行う前に知っておくべき言葉を確認する。これを知っておくことで正しい予防や除去の選択に繋がる。
「漂白」…色素を脱色し白くすること
漂白の言葉の意味は多くの人がご存知だろう。漂白はカビの対策でどう必要なのか。例えばカビを殺菌できたとしてもカビの汚れ落としまでは殺菌剤ではまかなえない。色素沈着を取り除く為に漂白は必要となってくる。ただし、漂白効果が強いものは壁材そのものの色素や風合いにも影響が出るため、過度な使用は見た目が悪くなるので慎重に行う必要がある。
「殺菌」…菌を死滅させること
名前の通り、「菌を死滅させる作用」である。殺菌は、有害物質を死滅させる作用をもつものではあるが、その対象や効力は様々である。似た言葉に「滅菌」があるが、この滅菌は全ての菌に対して、殺菌は菌の一部ないし、ほとんどに作用すると覚えておいていただきたい。
「滅菌」…菌がいない状態にすること
先に紹介した「殺菌」でも少し紹介したが、細菌やウイルスと言われるもの「全ての菌」に効力を発揮し、死滅さえるものを指す。要は無菌状態にすることである。わかりやすく言うと医療現場で耳にする無菌室や、身近な物でだと、牛乳やレトルト食品は熱を用いて滅菌状態にしている。もちろん開封後は無菌状態でなくなる。
「除菌」…菌を減少させること
この除菌という言葉はカビ対策グッズの中でも一番目にする言葉である。「除菌」は付着している菌を減少させ、完全に無くすものでは無い。 似た言葉で馴染み深い「消毒」がある。これは病原性微生物に対して使用する言葉であり、菌を殺す「殺菌」の意味を持つ。薬剤の使用方法などによっては一部の細菌が残ってしまう場合もある。
カビを除去する方法には大きく分けて2つ選択肢が考えられる。
①自分で対策グッズを用いてカビを除去する
②業者に依頼してカビを除去してもらう
カビを根本的な部分から除去するにはやはり②のプロに依頼することである。
では自分での除去とプロの除去では何の違いがあるのか?
決め手は「菌核」の除去が可能かどうかである。
カビの根本的な解決は「菌核」の除去
自分で除去する際は市販のカビ除去剤を使用する方が多いだろう。浴室用だけではなく、壁紙専用の除去剤も販売されており手軽に除去できるようになっている。
市販のカビ除去剤では、カビの胞子、菌糸の除去までは可能であり、また多く含まれている漂白剤によって色素汚れも落とせる。
ただし、カビの核となる「菌核」までは除去することはできかねる。よって市販カビ除去剤では数週間後の再発は覚悟しておいた方がよいだろう。
カビ除去剤の使用方法にも、定期的な除去が必要な旨が書かれている。
また多くの市販カビ除去剤には殺菌よりも、色素を落とすための漂白効果の方が多く配合されている。これも製品の注意事項欄に、脱色変色の恐れがある。と記載されている。
一方でカビ除去を専門にしている業者の除去方法は、菌核、菌糸、胞子を化学反応によって分解除去してくれる。後に詳しく記載しているが、専門的な知識と経験によって、壁材と人体に安全な方法で根本的に除去してくれるのだ。
壁紙のカビを安全に取る方法
では自分での除去は無謀なのか。決してそうではない。カビは放置すると空気中に胞子を飛ばして繁殖を広げようとする。それを食い止める為にも、応急処置として自分で殺菌を行うことは繁殖を抑制し実害を防ぐために必要である。
自分で行うorプロに依頼する判断基準とは?
壁紙に発生したカビの状況によってはすぐにプロに除去依頼した方が良いが、その判断基準とはどこか。もちろん初期の段階であっても除カビと共に防カビを行ってもらうとの考えですぐにプロに相談や依頼することに決してデメリットはない。
【自分でまずは応急処置できる状況】
■点で一部のみに発生しており、壁紙の表面にのみ生えている場合
【カビ除去のプロにすぐに依頼すべき状況】
■カビが壁全体、または点在して繁殖しているのが確認できた場合
■床や天井との境目に沿うように発生している場合
■壁紙の表面にはカビの発生が見えないが、壁紙がめくれている又は浮いてきており壁紙の裏側に壁が発生している場合
■自分で除去を行ってもすぐに再発する場合
すぐに依頼すべき状況では、空気中に胞子が飛散しており、その空間にある家具などにもカビが発生している可能性が考えられる。また壁の内側、建材にまでカビが繁殖していることもある。この状況までいくと健康を害してしまう為「もう少し後で」と放置だけはしないでいただきたい。
実践!安心して使えるアイテムと殺菌・漂白方法
小さいお子さんやペットがいらっしゃるご家庭、または匂いに敏感な方は市販の除去剤の使用に抵抗があるだろう。そこで今回出来る限り人体や壁材にも安全な方法での殺菌と除去の方法をお伝えする。
【用意するもの】
・重曹
・酸素系漂白剤(衣類用粉タイプ)
・消毒用エタノール
・ぬるま湯
・メラミンスポンジ
・ラップまたはキッチンペーパー
・新品の雑巾(3枚)
・小皿またはカップ状の容器
■エタノールとは…糖蜜やでんぷん質から作られている。80%の濃度で最も殺菌力を発揮する。カビに対してはカビたんぱく質を分解死滅してくれる。ただしカビの色素を落とす効力は無い。
■重曹とは…正式名称は炭酸水素ナトリウム。エタノールと同様にタンパク質をゆるめる効果がありベーキングソーダという名でお菓子作りの膨張効果、食材をやわらかくする効果など調理にも使われている。
■酸素系漂白剤とは…漂白力は塩素系漂白剤には劣るが、手荒れ防止の為にゴム手袋の使用をおすすめする。主な成分は傷口を消毒するオキシドールと同じ過酸化水素水のため安全性は高い。
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【手順】
①重曹ペーストを作る
容器に重曹を入れて、そこにぬるま湯を少しずつ加えながら、固めのヨーグルト状にする。さらに酸素系漂白剤をペーストに加えて混ぜ合わせる。
②エタノールで殺菌する
雑巾に消毒用エタノールを拭き付けて、カビにゆっくりと塗りつける。カビの胞子が飛散しないように丁寧に拭き取っていくように手を動かす。
拭き取れないカビ汚れはメラミンスポンジで擦って落とす。メラミンスポンジを使用した後は、菌や汚れを含んだ粉が出てくるので、掃除機で片付ける。(掃除機は殺菌したカビのみに使用すること)メラミンスポンジ使用後は、もう一度、消毒用エタノールで表面を拭き取る。
③重曹ペーストを塗る
エタノール乾燥後、重曹ペーストをカビに塗り、上からラップをかけて3時間程そのままにしておく。3時間後、ラップをはがし重曹ペーストをしっかりと拭き取る。
④乾拭き&後片付けをする
最後に乾拭きを行う。完了したら、カビ菌を残さないように、再度作業周辺を掃除機で片付ける。
業者依頼は必ずカビを専門にしているところへ
人体にも壁材にも一番安全であり安心して行える除去は、カビ除去の専門業者に依頼することである。
カビ除去できる業者を探せば多くの会社がヒットするが、例えば清掃を専門としている会社ではなく、医療と同じようにカビの生態や対処方法に対して多くの経験と専門性をもった業者でなければ、「色素を落とす」ことに特化した対応が取られてしまい、根本的な解決は難しいだけでなく、菌の種類によっては間違った除去方法で刺激を与えて逆効果(菌の増殖)となりかねない。
カビのプロの除去方法とは
では、カビ除去を専門にしている業者は具体的にどのような方法で除去を行っているのか。
高い技術と知識を持つ専門業者は、「カビの種類」「発生原因」「進行状況」「環境(壁材の種類や構造)」を調査し、除去とともに防止も同時に行ってくれる。
使用する洗浄剤は、独自に開発されたもので、なんと厚生労働省が指定する食品添加物以上のものは使用されない。
これは住環境がいかに人体に影響を与えるか、という知識も得ているからである。依頼するのであればこのようにカビの知識、建材の知識のある一流にお願いしたいものである。
そこで下記にチェックリストを作成した。下記に当てはまるかを確認して依頼する業者を判断していただきたい。
【一流のカビ除去業者チャックポイント】
■除カビ・防カビの専門業者である
■建材への知識と配慮がある
■人体へ配慮した洗浄剤を使用している
■今までの施工の様子を確認出来る
■不安な点や質問などに丁寧な回答がある
■今後の予防についても相談できる
■保証がある
また依頼した際に下記を確認しておくことで不安なく過ごせる。
【依頼した際に確認する・伝えるチェックポイント】
■目に見えるカビはまだ無いが、湿気がこもりやすく気になる箇所があれば伝える
■以前に市販のカビ取り剤を使用している場合は必ず報告する
■エタノールを使用し、応急処置を行っている場合は、いつ頃行ったか報告する
■除カビ・防カビの対象がどの範囲(壁)かをしっかりと確認する
■別途費用(養生費など)の内容も確認する
■今後の保証についての内容を最終確認する
塩素系漂白剤と酸素系漂白剤の違いとは
カビの繁殖がまだ初期段階であれば、市販のカビ除去剤である程度の対応はできるかもしれない。しかし漂白効果として含まれている「次亜塩素酸塩」は、壁に染み込むことでツンとした刺激臭や、高い濃度で触れる、または肌が弱い方は、皮膚に化学熱傷という火傷が起こることがある。
しかし洗濯やお掃除で使用したい場面が出てくる漂白剤、特性を知って安全に使用したい。まずは2種類の漂白剤特徴を確認する。
【塩素系漂白剤】
漂白の効力が強く、染料も脱色する為、色物や繊維物などには使用できない。浴室や台所のシンクなどの水で洗い流せる箇所のみに使用する。また酸性のものと混ざることで有毒な塩素ガスが発生する為、取り扱いには充分注意が必要である。
【酸素系漂白剤】
染料は脱色しない為、色物にも使用できる。酸化(水に溶かす)する力で色素を分解し、また除菌や消臭の効力もあるとされている。
混ぜるな危険!組み合わせ一覧
洗剤や漂白剤に記載されていることがある「混せるな危険」これは塩素系と酸性タイプのものに表示されている。そして決して洗剤同士だけとは限らない。クエン酸やお酢なども塩素系のものと混ざることで有毒ガスが発生する。
下記に住まいの中で使用する洗剤やその他の物で、混ぜては絶対にいけない組み合わせを一覧にした為お伝えする。
塩素系 | 衣料用塩素系漂白剤 | 液体キッチンハイター、カビハイター、カビキラーなど |
台所用塩素系漂白剤 | ||
カビ取り剤 | ||
トイレ用塩素系洗浄剤 | ||
排水パイプ用洗浄剤 | ||
!混ぜるな危険! | ||
酸性物質 | トイレ用酸性洗浄剤 | 粉末キッチンハイター、サンポール、レモン、胃液の酸など |
浴室・洗面台用洗浄剤 | ||
食器洗い機用洗浄剤 | ||
クエン酸 | ||
酢 | ||
酢酸 |
上記の混合はもちろんのこと、塩素系のカビ取り剤を使用後に水で洗い残しがあり、酸性タイプの洗浄剤を使用するなどでも有毒ガスは発生する。
またエタノールと塩素系漂白剤も混ざることでクロロホルムが発生、空気中で分解し有毒ガスになるため同時使用は避ける。
また、表の右に記載したとおり、キッチンハイターも液体と粉末で性質は異なる為、必ず確認してから単独で使用する。
この「混ぜるな危険!」の表示は1990年から義務付けられた。これは実際に下記のような事故が起こってしまったからである。
1987年、女性が浴室で塩素系カビ取り剤と酸性の洗剤を同時に使用し塩素ガスが発生。ガスを吸入したために呼吸困難になり、急死。その後、同様の原因で病院搬送の事故が5件発生。
1989年には同じ原因で死亡する事故が発生している。
上記のことから強力な漂白剤(塩素系)の使用はよく考えていただきたい。
壁紙のカビにやってはいけないこと4つ
塩素系漂白剤の使用
先述したように、塩素系漂白剤の成分には殺菌、消臭、強力な漂白効果があるが、高い濃度で直接触れると、皮膚は化学熱傷という火傷のような状態に、洋服は脱色し繊維を傷めてしまう。また水で丸洗いできない壁紙であれば、漂白成分が壁内部に残り、ツンとした刺激臭も残ってしまうこともある。しっかりと水洗いで落としきることが出来る場所以外での使用は避けるべきである。
上からの塗装や張り替え
もしも、一時の見た目を優先してしまい、カビの上から塗料で隠してしまった場合、後の代償は大きい。塗料でカビに蓋をしている状態なので、換気なども効果がなく、カビ繁殖に気づくのが遅れ、気付いた時には壁内部にまで繁殖を広げてしまう危険性がある。気付かないことでさらに怖いのは、電気設備に繁殖した場合には火災の原因にもなることである。
もしもカビに途料を塗って隠すようなことをすれば、「見た目はカバーしたので、どうぞお好きに繁殖してください」と言っているようなものである。
進行したカビの薬剤除去
市販のカビ除去剤も実害抑制や、見た目を戻すことに関しては、カビ対策として上手く活用できるかもしれないが、進行したカビに対してむやみに薬剤を使用してはならない最大の理由が一点ある。それは「カビ菌に抵抗性をもたせてしまう」「カビ菌が刺激されて生命力を増してしまう」ことである。
下記が家庭で発生しやすいカビの種類だが、進行の具合でも薬剤での影響が変わってくるのがわかる。
■黒カビ
住環境の至る所に発生し、空気中に多く、乾燥にも比較的強い。初期では薬剤に弱いが、進行しだすと薬剤に対して強い抵抗性を出す。むやみな薬剤使用によって逆に活発にさせてします危険性がある。喘息やアレルギーの原因になる可能性がある。
■赤カビ
湿度が高い場所であればプラスチックや金属の細かな傷にも繁殖する。繁殖スピードは黒カビの10倍程のスピードである。
■青カビ
有害なもの無害なものがあり、無害なものは主にブルーチーズ等である。中にはマイコトキシンというカビ毒を作り、ガンの原因になるともいわれている。
■ススカビ
胞子が軽く、部屋の空気中に漂っている時間も長く、飛散しやすい。ススカビによる人体影響は、皮膚真菌症や角膜炎など発症頻度は低いものの、罹患すると怖い病気が上げられる。
カビ菌除去は単純な汚れ落としとは異なり、病原菌と同じように環境や進行具合によって適した処置を行わなければならない。
放置
一番してはいけないことは「放置」である。あきらかにカビが発生している壁紙がある空間で生活をするということは、建物と自分自身と家族の健康が蝕まれていくのをそのまま見ていると同じようなことである。
除去のハードルも、費用も、被害も早ければ早い方が抑えられる。食い止められる被害が起きないように、放置せずに行動を起こしていただきたい。
カビを放置して起きてしまった被害
具体的なカビによる実害をお伝えする。これは大げさな話ではなくカビを放置すれば誰の元にも起こる被害である。
■私たちの寿命を縮める
カビの胞子が体内に入り込むことで、喘息、アトピーやアレルギーの悪化や発症、皮膚炎、免疫力低下が起こるとされている。また免疫力が低い状態や持病を持っている際、体内にカビの胞子が入り込むと、そのまま住み着いて繁殖し、命をおびやかす事態をも招く。
現在カビが生えて黒ずんだ壁があれば、それが体内でも起こるという事である。
人体だけでなく、精神面にもダメージを与えてしまう。体のだるさや頭痛からの嫌悪感から始まり、ストレス、うつ、不安症にも繋がるとされている。
■建物の寿命を縮める
カビは枝分かれするように栄養を求めて壁の中に伸びていく。塗料や接着剤、建材も栄養にして建物全体に行き渡り、断熱や防水効果はなくなり、壁材や健材は劣化していく。先述したように、もしもカビが電線などの設備に繁殖してしまうと、電気絶縁性が低下し電気製品の不具合や使用不可となる。また最悪の場合には火災の原因となることがある。
他にはカビを餌にしている種類のダニが発生する、除去を後回しにすることで広い範囲で作業を行うこととなり、除去費用も高くなってしまう。決して怖がらせたいわけではないが、実際に起きてしまった被害を知り、カビ放置をなくしていただきたい。
防カビこそプロの技を!その驚くべき効果とは
カビが一度発生した箇所は、カビが発生しやすい条件が揃っている箇所となる。換気や除湿、小まめな清掃を行うことが予防となるが、しっかりと予防を行っていてもカビは繁殖の機会を狙っている。
ここで知っておいていただきたいのが「防カビ」という言葉である。防カビは字のごとくカビが発生しない為の防止であり、これもカビ除去の専門業者は行ってくれる。
カビ防止までしっかりと行うことで、除去の手間や費用は激減し、日々のお手入れもしやすくなったことだろう。
カビを発見したら漂白よりもまずは殺菌!
壁紙にカビが発生した場合、見た目を優先して強力な漂白剤を使用するのではなく、自分で行う場合は殺菌を優先すること。そしてカビが初期でない場合には、家族と建物の健康を守る為にカビ除去を専門にしている業者に相談することがベストな行動である。
カビ除去以外であっても市販の漂白剤や洗浄剤を使用する場合には、成分は何であるか、混ざってはいけないものは何かを必ず使用する度に確認し、二次被害が起こらぬようにしていただきたい。この記事を読んでいただくことで、防げる被害が起こらないことを願う。
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