窓枠、ウッドデッキ、椅子、テーブル、棚、床、家の中で多く使用されている木材にカビが発生。
この場合、小さなカビの発見でも放置せずに正しく対処していただきたい。
木材は繊維に沿ってカビが根を張るのにもってこいの素材である為、放置することで除去のハードルはどんどん上がっていく。
何よりも、カビを放置してしまったことで発生する人体への健康被害は、
アレルギーの悪化や皮膚病、そして命をも脅かす真菌症を発病した例もあるからだ。
薬剤が染み込みやすい木材に対しては、特に人体や素材に安全なものを使用して除去したい。
今回は木材に発生したカビを正しく安全に除去する方法をお伝えする。
『人、建物に優しいカビ取り専門業者による無料見積り/カビラボ』
この記事読むことで理解できること
木材のカビを安全に自分で殺菌する方法
自分でカビ除去をすると考えた場合、多くの方が市販のカビとり剤をまずは思い浮かべる。しかし室内壁用のカビ除去剤であっても、よくよく注意書きを見ると「変色脱色の可能性があり、まずは目立たない箇所でお試しください」と書かれている。
室内用であってもカビの色素を除去する為には強い漂白剤が使われている為、小さいお子さんが触れる部分での使用には抵抗がある。
今回は市販のカビ取り剤は使用せずに、小さなお子さんがいらっしゃる家でも、安心して木材のカビ殺菌できる方法をお伝えする。
ただし、この方法はカビの発生が初期の段階に限る。
面で発生している場合はすぐにカビ取り専門の業者に除去依頼すべきである。
【用意するもの】
・消毒用エタノール
・酸素系漂白剤(液体タイプ)
・紙やすり
・綺麗な布
・キッチンペーパー
※作業中にカビ菌を吸い込まないようにマスク、手袋の着用をする。
■消毒用エタノール
■酸素系漂白剤(液体タイプ)
■紙やすり
【手順】
①消毒用エタノールでカビを殺菌する
カビが発生している箇所と周辺に消毒用エタノールをスプレーで吹き付ける。乾燥するまで待った後に、綺麗な雑巾で乾拭きをする。
②酸素系漂白剤でカビの色素を落とす
①ではカビ菌の殺菌を行ったが、色素沈着が激しい場合、消毒用エタノールで色素の除去まではできない為、酸素系漂白剤で色素の除去を行う。
キッチンペーパーに酸素系漂白剤を染み込ませ、それをカビ部分に覆いかぶせる。20分ほどそのままにし、水分が乾くまで待つ。
③紙やすりで削り落とす
②でカビの色素が落としきれなかった場合、紙やすりで色素沈着の箇所を削り落とす。軽い力で削り落とすが、この作業は必ずエタノールで殺菌した箇所にのみ行うこと。殺菌しないままカビを削り落とすことで、カビを飛散させて逆効果となる。
また、この時点でカビが奥深く繁殖しているのが見て取れた場合には、すぐにカビの繁殖は再開されるので、カビ除去の専門業者に相談することをおすすめする。
【ワンポイントアドバイス】
①一度に行う範囲は手のひらを広げたサイズまでが作業しやすい。
②手順②のキッチンペーパーを覆いかぶせる際、適したサイズにペーパーをカットして周囲をマスキングテープで封じ、絆創膏のようにすると色素除去しやすい。
③消毒用エタノール拭きつけ後、湿って状態の方が拭き取りやすそうに感じるが、乾燥が殺菌の目安と思っていただき、必ず完全に乾いてから乾拭きすること。
木材の種類によって気をつけること
お伝えしたカビ殺菌方法の中でも、木材の種類によってはやすりの使用は避けた方が良いものなどがある。カビが発生してしまった木材は下記のうちどの種類・特徴かを確認していただきたい。
■パイン材…北欧系、ナチュラル系家具に多い
北欧風家具で使用されることの多いパイン材は、カビが生えると目立ちやすく、また柔らかいため非常に傷つきやすい。同じくカントリー調の家具で使用がみられるアルダー材なども木質が柔らかく加工がしやすい為、装飾的な家具にも使われやすい。そして小さなカビの発生であっても素人できれいにカビを除去するのが難しいとされている。
先ほどの殺菌方法を行う場合には、実害を防ぐ為であるエタノールでの殺菌のみで、漂白剤や特にやすりの使用は控えた方がよい。色素沈着がひどい場合には専門業者におまかせするのが賢い選択である。
■チェリー材…フローリングや家具
赤みがあり、家具やフローリングにも使用されている。使用していくにつれ色が濃くなり味のある風合いになる。耐水性・耐久性に優れており、酸素系漂白剤や、やすりを使用してもまだ目立ちにくい。
■オーク材…フローリングやテーブルなど
木目のはっきりとしたオーク材は和風、洋風どちらの家具にも使用されている。木目がはっきりしているため、紙やすりなどを使用しても目立ちにくい。
上記のように、木質が柔らかいもの、木目が目立たないナチュラルな印象のものは、漂白剤ややすりの使用で見た目が変わってしまう可能性があるので、応急処置として、エタノールでの殺菌に留めておいた方が良い。
素人がカビ除去をむやみに行ってはいけない理由
自分で行う殺菌方法は「カビ発生の初期段階のみ」とお伝えした。
自分で行うカビ除去は、実害をまずは防ぐための応急処置としてとらえていただいた良い。
これはカビ除去が、ただの汚れ落としではなく、菌を殺菌するという専門的な行為だからである。
わかりやすく言うと怪我の対応と同じと考えていただきたい。初期ではない場合は下手に手を出さずに専門のプロに診断、対応してもらうべきことである。
そして、手っ取り早く市販のカビ除去剤で、手軽に自分で除去したい!という考えにストップをかける理由は二つある。
- 市販カビ除去剤は木材を痛める
- カビ菌の種類によっては抗体ができる、または繁殖を増長させる
特に、逆効果となる②を知っておいていただきたい。これは木材に係わらず、カビ全てに対しての話である。素人がカビに対してむやみに薬剤を使用することが危険であるという事を知っている人はあまりにも少ない。まずは下記をご覧いただきたい。
種類 | 特徴 |
黒カビ | 空気中に多く乾燥にも比較的強い。初期では薬剤に弱いが、繁殖しだすと薬剤に対し強い抵抗性を出す。むやみな薬剤使用は逆効果になる。 |
赤カビ | マイコトキシンという危険性の高い毒をつくりだし、口にすると食中毒症状を起こす。免疫力の低い幼児などには命にかかわる。 |
青カビ | 食品だけでなく、家具や押し入れ、畳にも発生し、増殖スピードが早い。 |
ススカビ | 薬剤や光にも強く、アレルギーの原因や悪化を引き起こす。 |
上記は家の中で発生が多いカビの種類だが、種類によっては薬剤が逆効果となり、除去の際に吸い込むことで食中毒のような症状を起こしてしまう危険性もある。
先にお伝えしたとおり、自分で殺菌を行う方法は発生が初期段階のカビに対してのみ行い、初期でない場合は必ずカビ除去や防止を専門にしているプロの業者に依頼するべきである。
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このような場合にはすぐに専門業者に除去依頼を!
何度も口酸っぱくお伝えしているが、初期ではないカビにはカビ除去専門の業者に相談していただきたい。依頼をする目安は下記である。
・カビが一目見て、面で発生していることがわかる。
・点での発生だが、あらゆる箇所に点在している。
・自分で行う殺菌をしてすぐに再発している。
・カビ色素の色が濃い。
そして何よりも不安な気持ちがあれば、状況確認や見積もりなどは無料で行ってくれるので迷って放置する時間が延びるのであれば、絶対に相談したほうが良いだろう。
カビ除去は専門業者に依頼すべき理由
カビ除去・予防を専門にしている業者以外、例えばハウスクリーニング業者でも、「カビ除去できます」と対応するところはある。
しかし、クリーニング業者は色素沈着を落とす事を目的としており、「酸洗い」や、「剥離洗浄」が主体であり、この方法は、カビの根本的な問題解決である菌核の分解除去と防カビには繋がらない。また先ほどお伝えしたように、強力な薬剤使用は逆効果を生む可能性もあるばかりか、建材や素材自体にもダメージを与えかねない。
専門知識はなくてもカビの色素は漂白することが出来てしまい、見た目だけではまるで綺麗に除去できたように感じるが、菌核を残すことになるのでまたすぐに再発するだろう。
一方、カビ除去と防止を専門にしている業者は、強力な薬剤使用の恐ろしさも熟知しているため、
食品添加物以上のものを使用し、化学反応でカビ菌の核まで除去いてくれる。
これが出来るのはカビ除去・防止専門の業者だけである。よって業者を選ぶ際の条件は下記であることを覚えておいていただきたい。
①カビ除去を専門としている業者であるか
②使用する薬剤が安全であるか
③不安要素がある場合は質問しやすい対応をしてくれているか
カビを放置してはいけない理由
冒頭でお伝えしたカビを放置してしまったことで発生する人体への健康被害について、
これは決して大それた話ではなく、カビを放置しておくと起こる出来事なので知っておいてほしい。
カビによって起こる被害は、継続的な頭痛・微熱、そしてアレルギーの発症・悪化、皮膚炎。これだけではない。カビの胞子が、免疫力が低下している状態の時に体内に入ると、そのまま住み着いて繁殖し、真菌症を引き起こす事がある。真菌症にはカンジタ症、クリプトコックス症、アスペルギルス症、ムコール症などがあり、代表的なものでは赤ちゃんのオムツカブレなどのカンジタ症である。
カビ菌が作り出す毒は、加熱によっても分解しないため、中毒や時には発癌し死に至らしめることもある。
身体的な部分だけでなく、精神的被害として、ストレス、うつ、不安症などの原因も挙がっている。特に免疫力が低い小さなお子さん、お年寄り、そして妊婦さんがいらっしゃる場合は、カビが発生していれば早急に対処しなくてはならない。
また、人体だけでなく家の寿命も減らすことになる。カビは建材や塗料、接着剤なども栄養にして躯体にまで繁殖を広げ、ゆくゆくは壁の防水性能の低下、建物全体の劣化を進ませる原因ともなる。また恐ろしい事例が、電線などの設備に繁殖することである。電気絶縁性が低下し、電気製品の不具合や使用不可となるだけでなく、最悪の場合には火災の原因となる。
カビはむやみな薬剤使用では解決には向かわない。解決に向かう方法は、カビの専門知識を持つ専門業者に相談し、除去と共に防カビをしてもらうこと、そして日頃の湿度管理と小まめな掃除を行うことである。
カビやすい、カビにくい木材はあるのか?
絶対にカビが発生しない。という木材はなく、防カビ処理を木材に施すことが有効であるが、元もとの素材の中でも通気性に優れている種類を選ぶのは、カビを遠ざけるひとつの手段である。
【カビが発生しにくい木材】
・ヒノキ
・ヒバ
・クリ
・ケヤキ
・チーク
・マホガニー
【カビが発生しやすい木材】
・アカマツ
・クロマツ
・モミ
・ベイツガ
「カビが発生しにくい木材」の特徴は、水に強い、または吸湿性と通気性が良いなどの性質木がある。木材家具や、施工の際には上記を知っておくと選ぶひとつの要素となる。
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家の木材・木部の有効なカビ予防方法
カビが発生したら放置だけはしてはならない。これがカビに対する一番の考えである。
次に大切なことは、カビが発生しないように日頃から予防を行うことだ。
木材が使用されやすい場所毎の予防方法をお伝えする。
【窓枠】
多くの住宅で木材が使用されており、また結露によってカビも発生しやすい場所の代表である。
■窓に結露防止のフィルターや結露給水テープ、結露防止テープを貼る
■夜間は雨戸を閉め室内の温度低下を防ぎ、昼間はカーテンを毎日開閉し、窓を開けて換気する
■除湿機を使用する
■埃を取り除いた後、消毒用エタノールをスプレーし乾燥させて乾拭きする
※晴天の日に行うのがおすすめ
■サッシ内の埃やゴミを綿棒や布を巻いた割り箸でかき出し、汚れがこびりつかないようにする
【家具】
テーブルや椅子など手垢がつきやすい家具、埃がたまりやすい棚などは、掃除をしないことでカビに栄養を与えていることになる。掃除のしやすいように工夫するのが良い。
■消毒用エタノールで拭き掃除をする
■棚などは除湿剤を設置し、余裕のある収納で充分な隙間を確保する
■家具と壁の間は5cm空ける
■湿気の多くなる北側には大きな家具は置かないようにする
■手がよく触れる箇所はカビも発生しやすいので、小まめに手垢を取りエタノールで消毒する
【壁・天井】
壁一面が木材という住宅は少ないかもしれないが、押入れの天井やクローゼットの扉、フローリングなどに注目していただきたい。
■壁は床や天井と接している角の部分はカビが生えやすいので、重点的に汚れをためないよう気をつける
■窓際のフローリングは結露によるカビ発生多発箇所。水気を完全に拭き取りエタノールで殺菌する
■押入れには除湿材のチェックを小まめに行う
■壁の電気スイッチ部分、扉の取っ手は垢がとてもたまるのでエタノールで小まめに拭き取る
【ウッドデッキ】
野外に設置される木材としてカビ発生とは切っても切れないウッドデッキ。防カビ剤配合の保護塗料で事前に予防することが有効である。樹脂性の人口木の使用も非常に多いが、カビが生えないわけではない。小まめな手入れが必要であると共に、先に専門業者に防カビをお願いするのがベストである。
■板と板の間に蓄積する砂埃などを竹串などで除去する
■晴天の日にデッキブラシで表面の汚れを落とし、しっかりと乾燥させる
※しっかりと乾燥させるにはお掃除のタイミング(晴天が続く時)が決め手
木材のカビ予防で一番のおすすめはプロによる防カビ処理!
まずはこちらをご覧いただきたい。
壁全体にびっしりと発生していたカビは綺麗に除去されている。それだけではない。3年経過した後もカビは一切発生していないのである。
このように専門業者に依頼するということは、悩みが一つ解消され、結果的には手間や費用が軽減されるのである。さらに保証もついていえ為、何かあればすぐに相談できるのも心強い。
木材のカビを放置しない事は、美観と健康を守ること
木材は住まいの中でぬくもりを与えてくれるが、カビ発生条件である60%以上の湿度が続けばカビは容赦なくやってくる。
しかし、事前にプロに防カビの相談を行うことで、私たちは大切な家具や家を守れるだけでなく、大切な家族の健康を維持することができる。
カビによる健康被害は、いきなり目に見えて現れるわけではない。
「なんだか体がだるい」「微熱が続く」「食欲がない」これは空気中のカビ胞子を吸い込んでいるからかもしれない。カビ問題の解決は、快適な暮らしをする為に必要不可欠な事柄である。
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