「模様替えで家具を動かしたら、壁にカビが…」とお困りのあなた。見えないところで増殖し続けるカビ。そのカビはそのままにしておくと順調に広がっていく。」
「カビ」と聞くとお風呂場や食品に対して発生するイメージが強いかもしれないが、実は、家全体がカビの栄養源なのだ。カビの発生原因、それに対する対策と除去をイメージではなく、知識として得ることが大切である。
本稿では、家の中でも大部分を占めている「壁」に焦点を当て、カビの発生原因を確認し、対策方法、そして出来てしまったカビの除去方法をお伝えする。
『人、建物に優しいカビ取り専門業者による無料見積り/カビラボ』
この記事読むことで理解できること
カビ対策を行う前に知っておくべき5つの言葉
カビを除去する方法には大きく分けて2つ選択肢がある。
①自分で対策グッズを用いてカビを除去する
②業者に依頼してカビを除去してもらう
どちらにせよ、使用する薬剤にはどういった効果があるのかを知り、薬剤の購入、または業者からの説明を受けて、ちゃんと解決に向かうようにしなければならない。
カビ対策グッズに記載されている「除菌」とは?「殺菌」とどう違うのか。また記載されている「漂白」とは菌に対しての効果はあるのか、ないのか。カビ対策を行う前に知っておくべき言葉を確認する。
滅菌…菌がいない状態にする
細菌やウイルスと言われるもの「全ての菌」に効力を発揮し、死滅さえるものを指す。要は無菌状態にすることである。わかりやすく言うと医療ドラマなどで耳にする無菌室や、身近な物でだと、牛乳やレトルト食品は熱を用いて滅菌状態にしている。もちろん開封後は無菌状態でなくなる。
殺菌…菌を死滅させる
名前の通り、「菌を死滅させる作用」である。先に紹介した滅菌と変わらないように感じるが、殺菌は、有害物質を死滅させる作用をもつものではあるが、その対象や効力は様々である。滅菌は全ての菌に対して、殺菌は菌の一部ないし、ほとんどに作用すると覚えておいていただきたい。
除菌…菌を減少させる
この除菌という言葉はカビ対策グッズの中でも一番目にする言葉である。例えば除菌スプレーは衣類等に付着している菌を減少させ、完全に無くすものでは無い。 似た言葉で馴染み深い「消毒」がある。これは病原性微生物に対して使用する言葉であり、菌を殺す「殺菌」の意味を持つ。薬剤の使用方法などによっては一部の細菌が残ってしまう場合もある。
抗菌…防腐、殺菌等、菌に対抗する全ての事を指す
こちらもカビ対策グッズを見ると、多く目にする言葉だが、滅菌、殺菌、除菌、防カビなど、菌に対抗する効力全てを含めた言葉である。
漂白…色素を脱色し白くすること
漂白の言葉の意味はご存知だろう。この漂白という言葉もカビ対策グッズには多く見かける。ではなぜ漂白がカビの対策で必要なのか。例えばカビを殺菌できたとしてもカビの汚れ落としまでは殺菌剤ではまかなえない。よってカビ除菌スプレーなどには漂白効果をもつ薬剤も入っていることが多い。
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実践!カビを自分で除去する方法
早速【自分で行う】カビ除去の方法を紹介する。ただし、今から紹介する方法は、あくまで見た目に対する応急処置と考えていただきたい。
何故根本的な解決ではなく、応急処置か。住宅に多く使用されている壁材、ビニールクロスに発生するカビの元は壁の裏側にあり、表面の汚染ではなく裏側に対して対処しなければならない。
市販で壁紙にも使用出来るカビ取り剤もあり、効果が出ている状況もあるが、環境やカビ菌の種類や進行具合によっては、効果が出ないのも現実である。中には浴室用カビ取り剤を間違って室内の壁に使用し、カビ取り剤に含まれている塩素系漂白剤によって壁紙の色が脱色してしまったという声もある。
さらに薬剤が染みこんでしまうクロスは、対処後にも除去剤が留まり、例え乾いた後でも濡れた肌が触れると、皮膚に薬剤がついてしまうとされている。よって通常クロスに発生したカビの除去は自分で行うのは難しい。
しかし、カビの発生が表面のみの初期段階であれば、完全な除去は難しくとも、カビが飛散しないように等の対応が出来る。それでは自分で行うカビ対策の方法をお伝えする。
下記の方法はクロスを傷める可能性がより少ない、市販のカビ取り剤を使用しない方法である。
【クロス壁のカビ対策方法】
・酸素系漂白剤(衣類用粉タイプ)(適量)…色素を分解し、除菌・消臭の効力もある
・消毒用エタノール(適量)…カビの細胞を破壊する効力がある(殺菌効果)
・水(適量)
・メラミンスポンジ…白く消しゴムのような見た目で、家至る箇所のお掃除に活躍してくれる。
・ラップまたはキッチンペーパー(適量)…適量
・新品の雑巾(3枚)
※漂白剤には身近なもので「塩素系」と「酸素系」があり、下記がそれぞれの特徴と違いである。今回使用する酸素系は塩素系よりも漂白効果は弱いものの、染料を脱色することは無いといわれている。洗濯で言えば、色物の衣類にシミが付いた際などに使用する漂白剤である。すでにお持ちかもしれない。
【今回使用する消毒用エタノールはこちら↓】
■手順
①重曹ペーストを作る
重曹を容器に入れて、そこに水を少しずつ加えてペースト状にする。これは壁に塗りつけるので、水っぽくならないように調整しながら、固めのヨーグルト状にすると良い。
重曹ペーストが出来たら、カビの色を落とす為に酸素系漂白剤をペーストに加えて混ぜ合わせる。
②エタノールでカビを殺菌する
綺麗な雑巾に消毒用エタノールを付けて、カビが発生している箇所にゆっくりと塗りつける。この際にカビの胞子が飛散しないように意識して、綺麗に拭き取っていくように手を動かす。
エタノールで拭き取れないカビが残ればメラミンスポンジで擦って落とす。メラミンスポンジを使用した後は、菌や汚れを含んだ粉が床に落ちている為、掃除機を使って片付ける。(エタノールで殺菌したカビではなく、生きたカビは掃除機で吸うことで飛散させてしまうので殺菌したカビのみに掃除機は使用する)
メラミンスポンジ使用後は、もう一度、消毒用エタノールで表面を拭き取る。
③重曹ペーストを塗り、汚れを分解する
エタノールが乾くまで待つ。乾燥後、事前に作っておいた重曹ペーストをカビ発生箇所に塗っていき、上からラップをかけて3時間程そのままにしておく。3時間後、ラップをはがし重曹ペーストをしっかりと拭き取る。
④乾拭き&後片付けをする
最後に壁が湿った状態にして終わらせず、必ず乾拭きを行う。湿った状態にしておくと、残ったカビ菌の増殖を進めてしまうので最後までしっかりと。完了したら、カビ菌を残さないように、再度作業周辺を掃除機で片付ける。
■ポイントと注意点
・消毒用エタノールは引火しやすいので、キッチンまわりの壁紙に施す場合は火気に絶対に近づけないよう、細心の注意を払う。
作業が終わり、エタノールが完全に乾くまで、ライター等も使用しないこと。
・エタノールには無水エタノールと消毒用エタノールの2種類あるが、消毒用エタノールを使用する。無水エタノールは濃度99%、消毒用は濃度80%であり、無水エタノールの方が殺菌効果が強いように感じるが、無水の状態では殆ど殺菌効果はない。
・無水エタノールしか無く、代用したい場合は、無水エタノールが80%の濃度になるように水薄める。水は水道水だと変質しやすいため、精製水を使用する。
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【ペンキ塗装壁のカビ対策方法~初期段階~】
クロス壁ではなく、ペンキ塗装の壁には初期段階であれば、市販のカビ取り剤(室内壁用)を使用した下記の方法もある。
ただし、カビ取り剤の成分によって、塗装面を痛めてしまう可能性や、カビが進行している場合は、一度塗料を剥がして、カビ除去する必要がある為、クロスと同じく自分で行うには労力を費やす必要がある。
初期段階である場合での応急処置であり、進行している場合には専門業者に依頼する方が手間や効果の面でもおすすめしたい。またカビが進行しすぎると、当たり前であるが修復に費用を要する事もお伝えする。では初期段階でのカビ除去の方法をお伝えする。
・市販のカビ取り剤…汚れを分解する効力がある
・キッチンペーパー…色素を分解し、除菌・消臭の効力もある
・マスク
・ゴム手袋
■手順
①カビ取り剤を塗布する
まずは換気をしっかりと行えるようにしておく。キッチンペーパーに市販のカビ取り剤を含ませ、そのままカビ発生箇所に塗布、上からラップをして30分程待つ。
②汚れを拭き取り水拭きする
ラップとキッチンペーパーをはがし、壁表面の汚れを拭き取る。その後しっかりと薬剤が取れるまで水拭きする。
※今回は、水拭き又は水洗いが必要な薬剤を使用するとしての手順であるが、使用する薬剤によって、使用方法を確認して行うこと。
進行したカビの対策はどうしたらよい?
カビの発生が初期の段階であり、先に紹介した方法で症状が落ち着けばそれで良いが、もしも効果が無い場合、またはすぐにカビが発生してしまう場合は、表面からの対策ではいたちごっこである。カビが進行していればしっかりとした除去が期待出来るカビ取り専門業者に依頼する事を検討していただきたい。
もしもクロスがカビの発生により剥がれ、またペンキ部分が劣化している場合であれば、早急に専門業者に相談することをおすすめする。
この理由は後ほど、「カビが発生・増殖することで起こる3つの現象」にて記載しているので確認いただきたい。念押しでお伝えするが、放置だけはしてはいけない。
あなたの家は大丈夫?カビチェックリスト!
下記のチェックリストは、現在、あなたが居る空間の壁はカビが発生しやすい環境となっているかが確認出来るので是非お試しいただきたい。
□1日中、家を閉め切りにしていることが多い。
□1年間動かしていない家具がある。
□換気は行っているが、風が対角線上で抜けていくようには出来ていない
□湯沸かし器の使用、炊事の際に換気扇を回していない時がある
□室内に鉢植えの植物、又は水槽(熱帯魚)がある
□部屋干しの際、除湿空間では無い空間で行っている
□加湿器を乾燥する冬以外でも頻繁に使用している
□掃除機を二日以上かけない
□拭き掃除を一週間以上行っていない
9項目あるが、チェックが付けばつくほど、カビが好む空間となっている。もしも4つ以上チェックが入った場合には既に動かしていない家具の裏側や光や風が入らない壁にカビが発生している可能性が非常に高いのでチェックしていただきたい。
カビの発生を食い止めるには「栄養」と「湿度」を与えない事!
カビ発生の条件は4つである。
湿度…60%以上で発生し、80%以上となると猛烈な勢いで繁殖する
栄養…埃、人間の垢などのたんぱく質汚れ、食品だけでなく、塗料なども栄養源となっている
酸素
どれも特別なものではない。しかし、この中の1つでも条件が揃わなければカビを抑えることが出来る。温度は人間の快適を求めると5℃以下や45℃以上に設定するのは無理である。
酸素も理由を言うことなく無理である。栄養源は小まめな掃除で減らせそうであるが、全て排除するのは不可能だ。よって私たちが事前にカビを食い止めるには「湿度」を60%にしない事が一番の策である。
カビ予防には、湿度を意識して、調整する事が大切
では湿度はどうなれば高くなってしまうのか。湿度の上昇には温度が高いことが条件である。
分かりやすいのが「結露」だが、結露は温度の高い空気が、温度の低いところに接することで急激に温度が下がり、それまで空気中に含んでいた水分が、含むことが出来なくなり、空気が水分をこぼしてしまう現象が「結露」の正体である。
結露を思うと、沢山の水分が空気中含まれている事が目でわかる。しかし普段は「ジメッとしているな」という感覚はあるが、湿度が今どのくらいかなどは目で見えない。
よってカビの好む環境を作らない為には、まずは室内に湿度計を設置して、湿度の調整(60%以上にならないように)を行うことが大切である。
続いては、湿度の次に何か出来るとしたら「栄養」の部分である。高い栄養源を出来る限り与えないようにする。
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カビを発生させない為のおすすめ対策アイテム
カビ発生を食い止める為手段は一に湿度の調整、二に栄養源を出来る限り与えないことである。この二つを満たす為のおすすめアイテムを紹介する。
湿度調整にはエアコンの除湿機能もあるが、どうしても部屋干ししなければならない場合や、除湿したい空間に持っていくことが出来るコンパクトで優秀な除湿機は押さえておきたい。
カビが発生・増殖することで起こる3つの現象
では壁にカビが発生すれば、実際には私たちにどのような影響を与えるのか。見た目が不愉快であるだけなのか。カビは全て人体に影響を与えるのか。カビが発生、増殖することで起こる現象を確認する。
カビが増殖すればダニも増える
ダニの中にはカビを餌にしている種類もあり、またカビが好む環境とダニの好む環境は同じなのである。壁に出来たカビを食べたダニが、食品の中へ入る、カビ菌を撒き散らすという事も大いにありえるのだ。
喘息やアトピー、アレルギーの症状を悪化させる
特に、体の免疫力が低い、小さなお子さんやお年寄りの方が、壁にできたカビに触れて体内に入ることで、元々持っていたアレルギーや喘息が悪化するという事が起きている。場合によっては命の危険に陥ることもある為、特に免疫力の少ない人(乳児、幼児、高齢者)がいる場合は真剣にカビ取りについて向き合っていただきたい。
放置することでカビ除去費用は高額になる
壁に出来たカビをそのままにしておき、カビの増殖が止まる、または減少することはまずない。カビの状況で費用は上がる為、相談だけでも早めにしていただく事をおすすめする。
カビを発生させない為にやるべき事~準備編~
カビ除去法や、カビ発生の条件、カビ発生によって起こることを確認し、改めてカビは発生するとやっかいな事が確認できた。カビの除去は難しく、私たちに出来ることで最も有効なのは日頃の予防だ。下記にカビを発生させない為にやるべき事をまとめている。これを守ることで、カビとの関係は一気に遠のく事を約束する。
室内に風がまわり流れるように換気経路を確保する
換気をしていても、風が一方通行に流れているだけでは意味はない。外から中へ、家を抜けて風が流れるように換気を行う。もしも窓の前に棚があるなど開けにくい窓がある場合、模様替えを検討し、家の中に風を流しやすい環境を整える。
換気扇を掃除する
台所などの換気扇は頭上にある為、汚れに気付きにくいが、換気扇が汚れていては当たり前だが換気する力は減少し、また衛生面でも良いことはない。普段の掃除よりも気合いが必要だが、カビが発生しやすい温かな時期は、付け置き洗いを行うのに最適な時期なのである。是非とも春を感じたら換気扇のお掃除を。
除湿剤の設置
壁の中でも浴室に続き、カビの発生率が高いのが押入れやクローゼットである。除湿剤の期限切れを避けて、必要な個数を守り設置する。
除菌・防カビのスプレーを用意する
ノンアルコール、非塩素系で安全性の高い除菌、防カビスプレーを用意しておき、定期的に壁に吹きかえる予防法である。カーテンや靴など様々なものに使えるものが好ましい。
カビを発生させない為にやるべき事~習慣編~
続いては毎日の習慣にすることで、カビを発生させない内容をお伝えする。
一日一回、掃除機をかける
これはそれぞれの生活リズムによっては難しいかもしれない。一日一回は難しくとも、カビの栄養源を剥き出しに出来るだけしないよう、継続可能な無理のない頻度を決めて実行していただきたい。
一週間に一回、拭き掃除をする
きれいな布で壁、床、棚などを拭き掃除し、さらに問題なければアルコールを塗布すれば効果的である。
枕やぬいぐるみを晴れた日に干す
湿気を吸収しやすい枕やぬいぐるみ、クッションなどはカラッと晴れた日に天日干しを。
湿度を確認して調整する
湿度計を確認し、60%以上の場合は除湿を行う。
安心してまかせられるカビ取りのプロとは?
画像は、カビ除去と予防の専門業者によって行われた施工された壁である。
食品添加物以上のものを使用せず、安全性が高い洗浄剤を用いて、除去したいカビや汚れだけを化学反応で分解除去している。
カビ取りを業者に依頼しようと思った場合、どのようにして業者を選ぶべきか。業者への依頼を検討した際には是非下記を確認し、安心して作業を任せられる業者なのか判断して頂きたい。
カビ除去を専門にした業者であるか?
人体の事もしっかりと考えた除去を行ってくれるか?
建材の事もしっかりと考えてくれているか?
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壁カビの怖さは見た目だけではない
壁に発生するカビを軸に、カビについて様々確認してきたが、見た目の不快と同様に、放置しておくと手に負えなくなる事がわかった。
カビ菌は空気中に舞っており、条件が揃うことで繁殖を開始する。カビに悩まない為には予防が非常に大切である。もしも繁殖させてしまった場合には、放置だけはせずに、また強力な薬剤を安易に使用することだけは避けて欲しい。
カビ取り専門の業者に依頼する際には、その費用が意味あるものにする為に、信頼出来る説明を受けて、納得してお願いしよう。
対処するものに対して何の知識もないままだと、対応の選択さえ出来ない。この記事を読んでいただいた事で、あなたにとって良いカビ対策が出来る事を願う。
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