外壁のカビを除去して家の印象を取り戻すための方法とは?

外壁のカビ

外壁に出来るカビは築年数が古い家に発生しやすいと思われがちだが、決してそうではない。

カビに対する知識と対策、そしてカビ発見時のすみやかな除去方法を知っているかいないかが決め手なのである。

 

見た目を優先した除去であれば自分で行う方法もある。しかしカビ菌が除去しきれず、すぐに再発させてしまう可能性は正直高い。状況によっては高所に薬剤を施す作業も必要となる為、安全に、確実に除去する一番の方法は、専門的な知識を有するカビ取り専門のプロに相談することだ。

 

応急処置として自分で行う除去から依頼の際のポイント、そしてカビの原因、予防法をお伝えする。

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外壁カビを自分で除去する方法

自分で外壁のカビを除去する方法は大きく二通りある。

1つは「安全性を重視し、出来る限りのカビ殺菌を行う方法」

2つ目は「カビ汚れ落としを重視し、強力な薬剤を使用する方法」

上記二通りの方法をお伝えするが、手順の後に記載している注意点も必ず確認していただきたい。

 

安全性を重視し、出来る限りのカビ殺菌を行う方法

外壁カビを除去するのに難しい点は、カビ以外の様々な汚れも合わさっていることだ。カビ除去を行う前にまず表面の汚れを取ることから始める。

カビ取り専門業者であれば特殊な洗浄剤や手法で、汚れの種類により、カビ菌と共に適した除去をしてくれるが、自分で行う場合は、水洗いや高圧洗浄などで出来る限りまずは汚れを除去する。高圧洗浄機の威力が強すぎると外壁自体も傷つけてしまう為、水洗いの方法でお伝えする。

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■用意するもの

中性洗剤・水・スプレーボトル・ブラシやスポンジ・雑巾・消毒用エタノール

■手順

①表面の汚れを中性洗剤で落とす

台所などで使用する中性洗剤で、外壁表面とカビの汚れ(色素)を浮かせて落とす。

中性洗剤を希釈した液体をスプレーボトルに入れ、カビに吹きかけ、ブラシで泡立てながら擦る。この際もブラシを強く擦りすぎると壁を傷つけるので様子を見ながら行う。凹凸の部分には洗剤を付けた3分程待ちブラシやスポンジでこすり、最後に雑巾で拭き取る。

②カビ菌をエタノールで殺菌する

①の段階だけで見た目はきれいになっていたとしても、カビの色素が落ちただけで、まだカビ菌は生きている為、殺菌を行う。消毒用エタノールをスプレーでふきかけながら、雑巾で拭いていく。カビが目立つ箇所にはこれをもう一度繰り返す。

■注意点

エタノールにてカビの殺菌は行えるが、強力な漂白効果のある薬剤を使用しない為、カビ汚れ(色素)やその他の汚れは残ってしまう可能性がある。さらにカビの繁殖が進行している場合には、奥深くのカビ菌までエタノールが届ききらず、再発してしまう可能性もある。応急処置として、カビ菌が飛散し増殖するのを少しでも遅らせる為と思っていただきたい。

 

 

1-2:カビ汚れ落としを重視し、強力な薬剤を使用する方法

外壁にも使用できる市販のカビ取り剤は、強力な漂白効果で、カビやその他汚れの色素も一気に落とせる。それだけ強力なので皮膚や目にかからないように。強力な分、商品説明にも記載してあるが、材質の変色脱色の可能性もある為、必ず目立たない隅の外壁で試してから行う。

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■用意するもの

市販のカビ取り剤スプレー・保護メガネとマスク・ゴム手袋・じょうろやホースなど水洗いする為の道具

■手順

①保護メガネ・マスク・手袋の着用、風向きなどの確認

強力な薬剤を使用する為、メガネ、マスク手袋を付けて薬剤がかからないようにする。また風が強い日の使用は避けて、異臭等、ご近所への配慮も考えた上で使用する。

②カビに直接スプレーをして除去する

直接カビにスプレーをし、数分待ち、水洗浄を行い除去する。カビ取り剤の商品によって使用方法は様々である為、都立扱い説明書、使用方法をよく読んで使用する。

■注意点

一見きれいにカビが除去できたと感じるが、市販のカビ取り剤の多くは殺菌効果よりも漂白効果の方が高いものが多く、見た目を重視した対応と考えていただきたい。また強力な薬剤を使用する分、人体、建材、植物などにダメージを当てかねないという事を忘れずに、過度な使用は避けること。

 

自分でカビ除去を行うメリットとデメリット

カビの除去を行う方法としては、「自分で行う」「業者に依頼する」の二つがある。「自分で行う除去」を選びたい方がいれば、その理由は大きく費用面と、自分で把握したいという面ではないだろうか。自分で行うか、業者に依頼するか、どちらを選択すべきかを判断する為にも自分で行うカビ除去のメリットとデメリットを確認しておこう。

【メリット】

■費用が安く済ませられる

自分で行う場合は薬剤や道具などの費用のみとなる

【デメリット】

■危険が伴う

強力な薬剤の使用、高所の壁に対する除去は慣れていなければ人体や建材も傷つけてしまう可能性がある

■カビを殺菌しきれない

目に見えてカビが発生している場合、壁の奥深く、またはまだ綺麗な状態の部分にまでカビの胞子は張り付いている為、その部分に対しての殺菌が素人では難しい。

■カビ菌の繁殖を増長させる可能性がある

菌を残すような使い方で薬剤を使用すると、残ったカビ菌は駆除されると危険を感じ、生命力を増して、これまで以上に活発に繁殖してしまう。

 

上記の事から、冒頭でもお伝えしたとおり、自分で行う除去は「見た目を綺麗にする(カビ菌は残ったまま)」「表面にあるカビ菌のみの殺菌」と考えていただいて間違いなく、根本的な解決を求める場合は、カビ取り専門の業者に依頼することをおすすめする。

 

市販カビ取り剤で外壁除去をおすすめできない最大の理由

もう一つお伝えしたい大切なことがある。カビの根本的な除去が難しいことはわかったが、特に外壁は野外での作業となるため、強い薬剤の使用は住宅が密接した場所では、自分だけではなくご近所さんへの被害も考えられる為控えた方が良い。ペットや小さなお子さん、植物など、こちらが気をつけていても制御出来ない環境であれば薬剤の使用は潔くやめた方が良い。

 

万能商品の「防カビ」には期待しないこと

一つの薬剤(商品)に多くの機能があり、その中に防カビ機能が入っていたら、その商品の防カビ機能は期待しないほうが良い。カビ菌を防止することは非常に難しく、カビや環境の状況を調査し、専門的な知識がないと防止できない為、様々な機能の中で難しい防カビもうたっている物は「ついで」に書かれていると思っていただいて問題ない。防カビスプレー等を市販で検討する場合は、せめて、機能が防カビ1つだけの商品を選ぶ方が良い。

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外壁カビをプロに除去してもらう際のポイント

施工前

施工前

施工後

施工後

画像はカビ取り専門業者による外壁カビ除去の様子である。カビ取りを行う事でこんなにも家の印象が変わる。これは食品添加物以上の洗浄剤で非常に安全な方法で行なわれている。依頼する際には、人体にも危険を及ぼす強力な薬剤を使用する業者ではなく、人体にとって安全な洗浄剤を使う業者に依頼していただきたい。

 

これは人体にだけではなく外壁自体にとっても重要なことである。室内の壁ではなく外壁なので強力な薬剤を付け、ブラシでゴシゴシと擦り落としても良さそうなイメージをお持ちであれば、決してそうではない。当たり前であるが塗装を剥がしてしまうような行為を行えば劣化を促進してしまう事となる。市販のカビ取り薬剤でも必ず記載されている事項は「塗装のはがれや変色脱色の可能性もあるため、まずは目立たぬところでお試しください」である。

依頼の際に確認すべきこと

業者に依頼する際の大きな流れは【相談→現地で状況確認・見積り→施工開始→仕上がり確認→完了】となる。相談~完了まで、それぞれで確認すべきことをお伝えする。

【相談を行う段階で確認しておくべきこと】

■除カビ・防カビの専門業者であるか?

■建材への知識と配慮があるか?

■人体へ配慮した洗浄剤を使用しているか?

■今までの施工の様子から実績を確認出来るか?

■確立したコンセプトがあるか

【現地での状況確認・見積りをもらった際に確認するべきこと】

■除カビの対象がどの範囲(壁)かを確認

■防カビ対応は考えられているか?

■別途費用(養生費など)は必要なもので書かれているか?

■保証の基準はどのようになっているかを確認

■不安な点や質問などに丁寧な回答があるか?

【施工開始~仕上がり確認】

■事前に聞いていた方法で施工が開始されているか?

■手入れや、保証についての内容を確認

上記をチェック項目として活用いただきたい。

一番のポイントは除カビ・坊カビの専門業者であるか?」の項目だ。

「カビ除去」と一言で言っても種類や進行具合、環境によって適した処置がある。

よって本当に適した除去方法にはカビに対する豊富な知識が必要である。カビ取りを「洗浄」や「クリーニング」としてのみ考えている業者ではなく、「生きている菌」の対応としてくれているかが重要だ。

 

カビ取り専門業者とクリーニング業者の知っておくべき違いとは

先述したように「カビ取りを「洗浄」や「クリーニング」としてのみ考えている業者ではなく、「生きている菌」の対応としてくれているか」というのが何故重要か、これは「カビ除去」は下記二つの対応が出来て初めてカビ取りと言うからである。

①カビの色素(目に見える汚れ)を落とす

②カビ菌(目に見えない胞子)の殺菌

市販の薬剤などでは①の対応を主に目的としており、汚れを落とす専門のクリーニング業者も同様である。しかし②についてちゃんと対応しなければ再発、又は最悪カビ繁殖の増長を招くこととなる。

クリーニング業者は汚れを落とす専門

カビ取り専門業者はカビ菌と共に色素の除去、そしてカビ予防をする専門

と覚えておいていただきたい。

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プロによるカビ取りの事例

それではカビ取り専門の業者に依頼を行った際に、カビが発生した外壁はどのように変わる事ができるのか、いくつかの事例を見てみたいと思う。

除去前

除去前

除去後

除去後

凹凸のあるこちらの外壁は、除去前では目に見えて凹み部分にカビが集中し全体に広がっている。除去を行った画像と見比べていただくと壁全体が明らかに明るくなっている。

 

除去前

除去前

除去後

除去後

同じ外壁とは思えない程の変わり様である。このように全体を覆うように発生したカビや汚れをここまで美しく除去するのは素人では不可能だろう。

 

除去前

除去前

除去後

除去後

このように見た目だけでなく殺菌も行い、それを人体そして植物にも害のない洗浄剤で行ってくれる業者に是非めぐり合っていただきたい。

 

また現在、外壁に使用されている塗料がカビの栄養となりやすい種類である、またはカビが進行している場合には、防カビタイプの塗料での塗装も提案してくれるだろう。

 

この防カビタイプの塗料も市販で手に入るが、中には塗料に防カビ剤を少量だけ添加した商品がある。これではカビがすぐに再発し、度々塗りなおしをする必要が出てくる。悲しいかなこのような塗料は多く出回っている。

 

市販のものを考える場合は多少高くても専門会社の防カビ塗料を使用する、または業者に塗装を依頼すれば何年かの保証をしてくれる。

 

何故外壁のカビ除去は難しいのか?原因は発生理由にあった

外壁のカビ

これは外壁に関わったことではないが、カビ除去は「表面の汚れを除去」するのとは訳が違い、難しいとされている。なぜならばカビは表面だけでなく、糸状のものがたくさん絡み合う「糸状菌」であり、枝分かれするように栄養を求めて壁の中に伸びていっているからだ。

 

カビはどのような条件で発生するのか

カビの発生条件には①温度②湿度③栄養④酸素が必要であり、それぞれの条件はこのようになっている。

■温度…5~45℃

■湿度…60%以上

■栄養…埃、人間の垢、汚れ、塗料など

室内であれば湿度が60%にならないように調整することが出来るが、野外となると出来ない。野外でのカビ予防は出来る限りの栄養源を与えない(外壁の掃除)、水気を出来るだけ留まらせないという方法であり、カビの条件を4つ絶対に揃えないようにすることは不可能である。だからこそ、壁自体に防カビを行う重要性が室内の壁よりも外壁は高いのである。

 

外壁のカビならではの発生原因である汚れを知る

外壁のカビ予防や除去が難しいことかはわかったが、外壁のついている汚れを放置しておくままだとカビ繁殖の原因となる。出来る限りカビを抑制する為には、まず原因となる外壁の汚れには何があるかを知り、出来る限りの対策を考えていく。

【外壁ならではの汚れ】

■雨だれ

外壁の突起物によって流れが変わった雨が、一箇所に集中して流れるようになり、そこに汚れが付着しやすくなって発生する。雨だれが一番発生しやすい窓まわりは、窓についた埃が雨の流れで外壁に付着することが大きな原因とされている。対策としては、窓枠に水受けを設置し、窓からの水が外壁をつたわないようにする、雨だれ汚れを見つけたら中性洗剤で落とす(高所の作業は無理に行わない事)または外壁に汚れが外壁に付着しにくくなる塗料を施すなどが考えられる。

■埃や排気ガス

凹凸が激しい外壁ほど、埃や排気ガスのススが入り込みやすくなる。このような汚れは油成分を含んでいるため、放置しておく程取れにくくなる。付着してすぐの状態であれば水洗浄でも大分マシになる。

■藻やコケ

日当たりの悪い箇所、外壁に凹凸がある方が発生しやすい。藻やコケは、外壁がどのような場所にあるかで発生のしやすさは異なってしまうが、水気が出来だけ留まらないようにする事が予防となる。藻やコケを見つけた際の対策も雨だれと同様である。

外壁のカビをそのままにしておくと起こること

事例画像を見ていただいてもわかるように家全体の印象を悪くしてしまう。ただし外壁なので多少の汚れは仕方が無いという考えもある。もしカビも、その他との表面汚れと同様に見た目だけが問題であればいいのだが、カビを放置して起こる最大の問題は人体への影響である。

 

【身体的・精神的被害】

カビによって起こる被害は、アレルギーの発症、皮膚炎、免疫力の低下など身体的な部分だけでなく、精神的被害として、ストレス、うつ、不安症などの原因も挙がっている。

カビの胞子が、免疫力が低下している状態の時に体内に入ると、そのまま住み着いて繁殖し命にかかわる病気を引き起こすこともある。この症状は遠いどこかの話ではない。風邪ではない原因不明の頭痛や微熱などもカビから引き起こされる症状といわれている。

 

【建物被害】

カビの繁殖を放置しておくと外壁の防水性能も低下し、劣化を進ませる原因ともなる。中々じっくりと外壁を見ることが少ないかと思うが、外壁のカビを見つけたら、除去だけでなく、防カビについても専門業者にじっくりと相談していただきたい。

 

カビ除去は外壁を綺麗にするだけではない

綺麗な外壁

黒ずんでいた外壁のカビが、私たちに全く害の心配なく除去でき、綺麗な壁が現れたらどんなに気持ちが良いだろうか。

専門業者に依頼することでカビを除去すると共に防カビも行ってくれるため、壁が元通りの見た目になるだけでなく、既存の建材を守り家の寿命を長くしてくれる。

業者は見積りまでは無料でおこなってくれる為、外壁カビの状況をまずは知るためにも、相談してみると良い。

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株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士

建築業界での経験を活かしたWEBメディアを運営。内装工事マッチングサイト「アーキクラウド」創業者。WEBコンサル事業、コンテンツ販売事業にも携わる。Facebookお友達申請大歓迎です。その他WEB集客、自社メディア構築、ビジネスモデル構築に関するコンテンツは公式サイトより。

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